北アルプスは南北に長い馬蹄形を成していますがその中央部はただの谷ではなく溶岩台地になっています。この周囲を山に囲まれた台地が雲の平です。
どの登山口からも遠く人が少なく静かであること、雪田が発達し標高が低く傾斜が緩いにも関わらず大規模な高山植物のお花畑が広がることから「雲上の楽園」として北アルプスを登る登山者にとっては憧れの地の一つでしょう。
私も昨年夏に薬師岳からその黒部源流、北アルプスの最奥に隠れる雲の平を望んで以来、彼の地へ行くことを長く楽しみにしていました。
どうやら私は雨雲と縁があるらしく「低気圧って呼んでやろうか」などと心無い言葉を掛けられたこともあり、梅雨明け前なのも忘れて今回こそ晴天のお花畑へ行って見返してやろうと下心を持ってしまったのが運の尽きだったのかもしれません。
1日目
全く椅子の倒れない夜行バスで眠れずに最悪な気分で降りた新穂高温泉登山口の天気は朝早くから霧でした。諦めて頑張ろうと踏ん切りもつかずなんともいえない倦怠感がメンバー間に流れる中入山します。
しかしながら歩き始めてしばらくするうちにみるみる青空が見えてきたのです。女子メンバー二人がガールズトークを繰り広げながらずんずん進む後ろを一同意気揚々と歩いて私はすっかり「もう夏だな」などと思っていました。
鏡平へ近づいたころから上空は曇りはじめましたが高い層雲だったため依然槍や穂高が望め、気持ちよく歩いて双六小屋へ着きました。
夏山きぶん |
双六キャンプ場は大盛況 |
テント場にて |
2日目
朝の天気は昨日の午後と変わらず曇り空の下槍穂に励まされながら三俣山荘へと足を進めます。しかしながら。
重量感のある鷲羽岳を登っている途中で天気が悪化しはじめ、山頂につく頃には雨風が強くなっていました。冷たい霧雨強風の中稜線をつなぎ鞍部を超えるとハイマツの海に入りました。そう、このあたりが雲の平の入り口のはずなのです。
景色もろくに見ずテント場へと急ぎます。荷物を置いて小屋へ向かいました。小屋は木造で、『ハウルの動く城』の「荒地」を彷彿とさせる草原にぽつん、とたたずむさまはイメージ通りで少し感動しました。
3日目
朝は変わらず雨。早く下山して温泉に入りたい一心で薬師沢へと下り、太郎平へと登り返します。太郎平についたそのとき、来し方の雲は流れ青空の下薬師岳と雲の平が見えるではありませんか!!
こういうことが続くと「また行きたい山」が増えてしまって困りますね(笑)
下山後はC.L.の友人(富山市在住)の案内で海を見に行きました。(海の日でしたね!)
余談です。たまたま行程を共にした千葉大ワンゲルOBのおじ様方と仲良くなったのですが(大昔の地図を記念にもらいました)卒業以来数十年にわたり毎年当時の同期と山に行っているそうです。永く山に登れることも、いっしょに行く人がいることも、なかなか素敵なことのように思いました。
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