2019年4月6日土曜日

赤岳主稜・小同心クラック

【山行名】つまんねぇシーンは捨てろ
【日程】2019/2/2(土)~2019/2/4(月)
【使用地形図】八ヶ岳西部・八ヶ岳東部(1:25000)
【メンバー】 C.L.新堀(3年)、S.L.毛利(3年)
主稜終了点から望む阿弥陀岳
2/1(金)
つくば駅から茅野駅へ向かう。
茅野駅で寝る。小淵沢は暖かく寝心地が良いが茅野は通路で寝るので寒いしうるさい。今回は他にも登山者がいた。寝れるだけで感謝せねばならないが、より良いものを体験してしまうと比較したくなってしまうものである。
2/2(土)
4:00にタクシーで茅野駅を出る。赤岳鉱泉でアイスクライミングフェスタがあるため、もう少し遅い時間のタクシーは出払う予定であるとのことであった。
八ヶ岳山荘には観光バスが来ていたし、美濃戸山荘にも驚くほどたくさんの車があった。
8:00頃赤岳鉱泉で幕営。赤岳主稜へと向かう。
真っ暗な林道をずんずん進む
文三郎道のトラーバス点には明瞭なトレースがついていたが、ルンゼを渡り雪崩のリスクがある地形であった。
主稜への取り付き
1p目についた時点で前に2パーティーほど溜まっていた。更に上部でもクライマーがいる。大盛況である。10:30頃登攀開始。
ずらりと並んでいる
写真中央に写っている部分が1pめ出だしにしながら主稜の核心とされているポイントである。
前のパーティーが取り付いている
一歩登ったところの雪の状態がよくアックスも効くしグローブでもつかめる感じであった。
支点が全体的に少ない上に取りにくいのですぐにランナウトしてしまうのが少し怖かった。
7p目終了点付近にて
そこから上は雪稜とクライミングが交互に現れる。コンテでも抜けられるがどこで切り替えるかの判断が大事になっていくと思う。
12:50に終了点につく。
人は多かったがスムーズに登れれば、2時間30分もあれば取り付きから十分に山頂まで到れると思う。
帰りは文三郎道。午後になると風も弱く心地よい。このタイミングを狙って登っている人も大勢いた。ちなみに、13:30頃主稜2p目を登っているパーティーがいて少し心配になった。
赤岳鉱泉ではフェスに便乗して、お汁粉や甘酒などを頂いた。
アイスキャンディーにプロジェクション・マッピングが投影されていてきれいだった。
ホットワインは鼻からアルコールを吸入している感じがしてあまり好きになれなかった。
滝の流れるアイスキャンディー
甘酒を炊き出ししていた
明日に備えて19:00には就寝。赤岳鉱泉の興奮は未だ収まらない。
2/3
小同心クラックに向かう。
硫黄岳に向かう道(赤岳鉱泉の眼の前から伸びる)を5分ほど歩き、大同心沢に入る。ここも少し歩くとトレースに導かれて大同心稜に登る。小屋から一時間弱で大同心基部に至る。
大同心基部
大同心ルンゼ上部のトラバースにはトレースがなく数日前の大量降雪のせいで悪い雪がべったりついていて緊張する区間であった。大同心ルンゼの通過に1時間くらいかかってしまった。
小同心基部へ。一応ロープを出す。
小同心クラック1p目はフェースで上部はチムニーという感じ。
快適なクライミングが楽しめる。たくさん終了点がありロープスケールに合わせて適当に切れると思う。
2p目出口
高度感もあってなかなかに楽しい。
横岳へは、直接登るルートと硫黄岳方面をトラバースする道がある。
今回はコンディション的には直登のほうが良かったがラインが見えなかったので、トラバースルートを選ぶ。
トラバースルート
雪が悪くて少々難儀したが、大同心ルンゼ上部ほどではない。
登山道に出たところでクライミング装備を解除する。
横岳山頂に行こうとしたら、毛利は休憩してたいとのことで一人で向かう。
自撮ってさっさと帰る
上はそこそこ風があった。小同心ルンゼ基部からここまで2時間である。空いていたのもあるだろうが、予想より早めにクライミングを終えることができた。
休憩地点に戻ると、毛利も行きたくなったらしく、なぜか私も同行を求められる。
赤岳をバックに
どうやらこの写真が撮りたかったらしい。そういえば赤岳山頂でもツーショットを撮った。
うまく入りきらない
何故毛利がこんなに撮りたがっていたのかという答えは、こちらのブログに書いてあるのでぜひ読んでいただきたい。
硫黄岳を経由して帰る。
爆裂火口
14:30前に美濃戸に着く。バスに乗ってしばらく行くと雪が降ってきた。
なんとも毛利は晴れ男である。

文責:新堀

2019.1 古賀志 

2019/1/28、栃木県宇都宮市の古賀志山に行きました。
本クラブも何度も訪れているので今更書くことが特にありません。
メンバーは、C.L.新堀(文責)、S.L.毛利ほか3名です。
ほか3名とは、新堀のバイト先の社員さんであるNさんとNさんのお知り合い2名で、現地で合流し一緒に登りました。
新堀は鼻カンテ(5.10b)などを登り、毛利は羚羊ハング(5.11a)を粘り強くトライした結果、トップアウトできました。
Nさんは5.12クラスの課題を軽く登っていました。
Nさん



厳冬期の四阿山 ~ルーファイ練習~

【山行名】誰かに何を言われてもずっと輝いていて
【日程】2019年1月12日(土)
【使用地形図】四阿山(1:25000)
【メンバー】 C.L.新堀(3年)、S.L. S(1年)、O(1年)、岩下(3年)

この山行ははじめての冬山登山に挑む一年生諸君のレベルアップというところに主眼をおいたものである。
そのため、1年生の二人を交代でS.L.につかせてルートファインディングをしていただいた。結果、二箇所でルートを外した。
ルートを外したポイント
予め断っておくが、C.L.の判断で「トレースを無視して歩くように」指示をしている。本記事は、はじめての人がナビゲーションをしたときに誤りやすいポイントを共有する上で有益だと考えるため、あえてナビゲーションミスに焦点を当てて書く。
ちなみに当日の天気は曇りで、他の登山者は大勢おりトレースがしっかりと付いている状態だった。
ルートを外してしまった2箇所について解説を加えたい。
1は、岩稜が始まり、その先の道がわかりにくくなっているポイントである。
現場付近でルート確認する1年
なぜ、東に冒進してしまったのか。これは、頂上付近の稜線が広がっているところで東に進路を変更するポイントと現在地を見誤ってしまったためではないだろうか。”まだ西から尾根が合流していないからまだ北北東に進むべき"という判断ができればこのようなことは防げる。また、悪天候時、このポイントで東進を続けてしまった場合、沢に降りるためそこで気付けるだろう。広い稜線上では道迷いに警戒するだろうが、合流直前でも合流点を見失わないように注意する必要がある。
2は尾根から沢に降りるポイントである。ここはS.L.が"あえて"トレースから外れ、ナビゲーションの結果尾根上を選んだポイントである。実際にはもう少し南南西に進みたかったようであるが、斜度に引っ張られ沢に降りてしまった感がある。
中央の沢から途中で右の尾根に上がる(下りは逆)
なので、これはルートミスとは言えないだろう。実際、ラッセルが少々大変なくらいであった。今回は問題なかったし、正しいナビゲーションと言えるが、尾根上に何らかの障害があって沢に降りなければならない場合、どのように安全な下降点を見つけるかというのは、判断に窮するところだろう。上りに使ったトレースがある場合は、そこに赤旗を立てるといったことが有効な対策になると思う。
山頂にて
当クラブの部員の殆どが夏山しかやらない。しかし、夏山でもルートのわかりにくいところはあるし、そのような場合ナビゲーションはできなければ困る。が、なかなか練習ができないというのも現実である。冬山においては、大変ナビゲーションの練習がしやすい。今回参加した1年生は、夏山でもナビゲーション力を十分に発揮し安全登山に努めてほしい。また、自分も冷静で正確なナビゲーションができるようまた、ナビゲーションをレクチャーできるよう精進しようと思った。
まもなく、新1年生を迎え彼らは先輩になる。
来年度も安全に活動ができるよう、4年生となる自分はリーダー会から支援しようと思う。
文責:新堀