2019年1月29日火曜日

本当にどうでもいいこと

山を登るものとして一番重きを置くべきなのは感覚だ。
自然は常に変化していくのに対して、自分が自然に対して一定の同じ感覚のまま接してしまうのはとても危険だ。

そんな感覚に対して敏感な僕が感じたことを一つ。



小野のヘルメットは何色なんだ?



白でも黄色でもない、ベージュと言われればそうなのかもしれないが、
なんか違う、ベージュっぽいけど、ベージュって言われるほどオシャレ感がない。
よくわからないが、「おばあちゃん」的な要素を含んでいる気がする。
となると、もはやあれは白でも黄色でもましてやベージュでもない、「おばあちゃん」なのかもしれない。小野はヘルメットを被っているのではなく、「おばあちゃん」をかぶっているのかもしれない。




世の中には不思議なことがあるもんだなぁ。

2019年1月22日火曜日

天狗尾根 南八ヶ岳縦走(1/18~1/20)


天狗尾根 南八ヶ岳縦走(1/18~1/20)

メンバー 毛利(文責、C.L.) 新堀(S.L.)

2019年初めての冬山に行った。岩稜歩きと縦走がしたいということで、天狗尾根を上がり、南八ヶ岳を南下した。初日、二日目ともに快晴かつ積雪量が例年になく少なく(青年小屋周辺は積雪1cm、カニのハサミ下部斜面も10cmほどでラッセルをするなど見る影もなかった)気持ちのいい冬の稜線歩きが堪能できた。以下、先にコースタイムを載せる。なお、だいたい地点ごとに10分から15分ほどの休憩を含む。

一日目 清里駅(6:50)美し森(7:35)出合小屋(10:04)2150m地点荷物デポ(11:32)カニのハサミ(13:00)約2150m地点荷物デポ(13:45)カニのハサミ手前幕営地点2450mくらい(15:45)    
                                                     [行動時間約9時間]

二日目 カニのハサミ手前幕営地点(7:00)大天狗手前(7:40)小天狗(8:50)キレット小屋付近の尾根(9:47)ツルネ(10:30)権現岳山頂(12:10)青年小屋(1:50)
                                                                                        [行動時間約7時間]
三日目 青年小屋発(6:50)編笠山山頂(7:20)押手川(8:30)観音平(10:02)観音平ゲート(10:55)
                                                                                        [行動時間約4時間]


以下、詳細。
一日目
始発で小淵沢から清里ヘ。そこから出合小屋まで道路&林道&谷歩き。林道を抜けてから砂防ダムのある谷歩きで数回水量を横切る。
清里駅の前
出合小屋からは赤布をたどり天狗尾根へ。かなりたくさんあった。積雪量は1cm程度といったところ。日向では土が露出している。
天狗尾根下部から権現・旭をの望む
2150m付近で荷物をデポして偵察へ。ここからカニのハサミまでかなり遠く最後、帰り、完全にしゃりばてとなった。カニのハサミ手前の急斜面で雪を盛ればテントが張れると思い、荷物を回収し再び登る。久しぶりに登りで死にそうになる&達成感を味わった。登山はドМな活動だと再認識する。
強引にテントを張り床が階段状になり座れた
幕営地につき整地をするが雪がサラサラで固まらない。その結果、テントの床が階段状になった。階段によりかかる形で就寝。当然寝れなかった。ずっと意識がもうろうとしていた。床がフラットだとどんなにありがたいか再認識する。

二日目
今回のメインディッシュの日。昨日標高を稼いだおかげで5分とかからず。カニのハサミを左から巻く。次に10m岩壁は直登。30mは左から巻き階段状のところを登る。大天狗は右から巻き気味に上がる。ここで唯一ロープを出す。Ⅲ級くらいか。終了点が打たれていた。小天狗は左から巻き、このあたりから風がかなり強くなり耐えないとバランスを崩すレベル。ホールドはたくさんあり縦走装備でも思ったより簡単だった。
大天狗手前

天狗尾根の岩場は完全に雪がなかった
稜線に出て、強風と格闘しながらひたすら歩く。鎖も出ていて雪はマジでなかった。コルには雪がたっまていたが50cmくらいか。
大天狗前

快晴あざス1

快晴あざス2

快晴あざス3

ギボシあたり
ほぼ夏道を歩く感じと変わらなかった。ギボシあたりから雪がゆるみだし、少し緊張する。上の写真は尾根上を行っているが巻き道があった模様。5㎝程度の緩い雪でのクライムダウンとなった。反省。トレースについて行ったのが原因。ギボシからはひたすら下り青年小屋へ。夜は昨日以上に寒く、案の定眠れなかった。

3日目 朝から雪。ひたすら歩いた。思った以上にゲートが遠かった。
昨日とは別模様





今回写真とってくれた新堀君に感謝。ブログを書いていて思ったが、2ショットがなかった。ので次回はぜひ一緒にとりたい。というか撮る。





2019年1月8日火曜日

2019/1/4-1/5 飯縄山雪上訓練

【山行名】さびしさに堪へたる人のまたもあれな庵ならべむ冬の山里
【日程】2019/1/4()2019/1/6(日) (前夜発 1泊2+予備日1
【目的】雪山登山に必要な技術の習得、向上
【山域】信濃
【使用地形図】若槻、戸隠、高妻山、信濃柏原 (1:25000)
【参加条件】2018年度冬山研究班員に限る。
【メンバー】4名 C.L. 小野、S.L.木村、新堀、大岡
【行程】
1日目[1/4()]
戸隠スキー場〈リフト〉怪無山(0:20) 1445m地点〈リフト〉
瑪瑙山(0:30)1639mコル[雪上訓練]          【行動時間:0:50+雪上訓練:4:00
2日目[1/5()]
1639mコル [雪上訓練7:3013:00](0:30)瑪瑙山(0:35)戸隠スキー場
                                                                                     【行動時間:1:05+雪上訓練:5:30


こんにちは。2年の小野です。
雪山始めて2年目です。じつは記録にはありませんが、去年も雪上訓練はやってました!
本来、この雪上訓練はいつもよりも早めで11月の下旬に八方尾根で行い、12月と1月が暇な医学生(なお2月は試験三昧)は冬山で遊びまくろうと目論んでいた。しかし!今年の12月は暖かすぎた。
スキー場はオープンしないし、雪はないしで取りやめになって僕の雪山ライフは幻となってしまった。そんなわけでこの季節に雪上訓練をやる羽目になってしまった。
今回のセックン場所は、飯縄山である。北信五岳の1つである。まあ、雪上訓練にも向いている穏やかな山だし、人少ないそうだし、アプローチ良いし、というわけでこの場所に決めた次第である。そして、なんとこの山は今から遡ること8年前、私が初めて登山をした思い入れのある山である。最近では、前しゅしょーであるジョイマンさんが、山プレで紹介していたのが記憶に新しい。また、毎年祖父母の家から何百回も眺めている自分の中では超メジャーな山である。

そして、今回の山行ではワンゲル1年期待のエース、大岡くんが冬研に参加してくれることになり、今回が初雪山であった。これで冬研も安泰である。なおこの大岡、計画書とかを作るときキーボードでアルファベットのOを叩く回数が多すぎて毎回混乱を呼んでいる男である。今後の彼の努力が期待される。

さて、そんなこんなで、いよいよ入山を意識し始めた年末スキー合宿明け。不運なことに小野は半年ぶりに発熱、湿性の咳嗽などの症状がでて、寝込むことになった。なんとか平成最後の紅白をみて、Eテレでアニメのメジャー2の一挙放送も見たが、これで雪山とかやばそうと感じていた。しかしながら、自分の免疫機能も捨てたものではなく、当日の朝は若干の咳嗽が残るもののかなりの回復を遂げていた。

〜1日目〜

よし、今シーズンワンゲル初雪山だ!しかも快晴!と勇んでいたところ。現しゅしょーの新堀さんから寝坊して予定の列車に乗れず、約束の時間に間に合わないとの連絡。これで1時間出発が遅れてしまった。長野駅でやることもなかったので夜行バスで来ていた大岡と合流するが、なんとこの大岡、スタバにいた。私は21年という短い人生しか歩んでいないが、私の周りには余った時間をスタバで潰す高貴な人には恵まれなかった。今、目の前でガッシャブルム80L+モンスターゾーンで拡張したザックと共にゆうゆうとスタバでくつろぐ大岡を見て、不覚にも感動してしまった。そして、人生初スタバを大岡とガッシャブルムとマカルー 80Lとともに満喫していた。

無事に、新堀さんと木村さんと合流したのちに戸隠スキー場ゆきのバスに乗る。皆爆睡。終点が近くなると、戸隠の山々が目の前に現れた。冬の戸隠方面は初めて見る。1900m程度の山とは思えないくらい立派だった。自分の5年後の目標は冬の戸隠の雪稜と心に決め今年も雪山修行に励むことを心に誓う。さらに雪の高妻山も立派であった。これぞ戸隠富士という感じであった。これも3年後くらいには登るかもしれない。そんなこんなで戸隠スキー場について準備。2回券¥640を購入し、いざ入山。大荷物を抱えてのリフトは大変であった。そして、瑪瑙山までリフトで到達。北アルプスまでよく見えた。絶景かな絶景かな。


北アルプスと木村さん(右)&小野(左)


いざ、入山。さすがに、雪山フル装備は肩にズシリとくる。トレースは山スキーのものが残っていた。しかし、雪が脛程度と深いので、早速ワカン着用。手間取る。まだまだ修行が足りない。訓練場所でもあり、幕営場所でもあるコルまで各々ラッセル訓練を兼ねながら降る。その間に、大岡にツボ足歩行、ワカン歩行、ピッケルワークを教える。 
病み上がりの小野

ガラガラの声で何か教える小野とサングラスを抑えてかっこいい大岡
コルに着いたら、テント設営したのち、訓練開始。各種歩行の要点、初期制動、滑落停止、いろんな雪山ならではのこと、バケツ堀とか教えてたらあっという間に時間は過ぎた。頭には入っているけど、教えたり、習得してもらうのは時間がかかるなあとか思っていた。
休憩時間には、最近北大山岳部OBの米山さんが書いた「冒険登山のすすめ」を読んだのでそれに倣ってイグルー作ってみようとやってみたが、ふわ雪&踏み固めた雪はイマイチうまくいかなかった。研究が必要と感じた。出来損なってしまったイグルーは我々のトイレとなった。そんなこんなで訓練1日目は終了。

夕焼けがとても綺麗だった。
北アルプスと夕焼けと防寒テムレスをはめた小野

山行前にペミカンパーティ(ペミパ)をしていた我々にとっては久しぶりのペミカンではなかったが、ペミカンで夕飯。内容はキムチ鍋であった。訓練が長引いて、雪山では珍しい夜更かしとなった。その分夜空はまあまあ綺麗であった。我々以外に誰もいなかったのでみんなで山に自己紹介した。そして、狭いテントの中で身を寄せ合って寝た。特に冷え込むことはなかった。
星空キレー!
誰もいない雪山の夜ではしゃぐ小野

〜2日目〜

朝5:30起床。朝ごはんはワンゲル恒例のおもち。お正月らしいとかいう感情はすでにない。久々の冬山でテント生活に手間取ってしまう。さらに、皆の荷物が散乱し、カオスとかしていた。

そんなテントを脱出し、訓練を再開した。今日はロープワーク、支点構築、アバランチレスキューとてんこ盛りだが、テン場即訓練場所なので、時間はたっぷりあった。なお、天気は雪時々曇り。
確保訓練は足場ありの肩がらみ、スタンディングアックスビレイで山足と谷足どちらが良いかなど新たな発見があった。一方やはりロープの扱いで時間を食う。ロープを出しても時間を食わないように修行が必要だと感じた。自分にはあと3年以上必要かなと思った。大岡も手袋をしながらのカラビナ、スリングの操作に手間どっていた

肩がらみ確保を練習している

やはり、あまり動かないので寒い。なお、ロープ操作以外では防寒テムレスを初投入してみたが、なかなか暖かかった。
手袋での操作を頑張ってた大岡くん

最後に、アバランチレスキューをやり、新堀さんによるピットテストや弱層、ウィークインターフェースなどの解説があった。なるほどという感じでよい勉強となった。
13:00くらいには大体全部終わったのでテントを撤収し、帰った。昨晩にも少し降雪があったのでまたラッセル。荷物が重いのも合わせてちょっと大変だった。大岡は初雪山で結構なラッセルしていて大変そうだった。頑張れ!
テント撤収完了時の木村さん

ラッセル中

スキー場脇を歩いて、バス停着。ちょうどバスが発車するところで急いで乗った。
戸隠中社近くの神告げ温泉で入浴&食事をして山行終了
戸隠中社 雰囲気が良かった


【感想】
ロープワークはやはり時間がかかったのでもっとブラッシュアップが必要。人が少ない山域で静かに訓練ができた。今回の訓練を通して新たな発見、そして反省もあった。今シーズンの雪山に向けて各々課題が見つかったと思う。そしてやっぱり雪山は楽しい!
※新堀さんの写真がメインなので新堀さんがほとんど写っていませんでした。この場でお詫びいたします。

文責:44期 小野