2019年1月8日火曜日

2019/1/4-1/5 飯縄山雪上訓練

【山行名】さびしさに堪へたる人のまたもあれな庵ならべむ冬の山里
【日程】2019/1/4()2019/1/6(日) (前夜発 1泊2+予備日1
【目的】雪山登山に必要な技術の習得、向上
【山域】信濃
【使用地形図】若槻、戸隠、高妻山、信濃柏原 (1:25000)
【参加条件】2018年度冬山研究班員に限る。
【メンバー】4名 C.L. 小野、S.L.木村、新堀、大岡
【行程】
1日目[1/4()]
戸隠スキー場〈リフト〉怪無山(0:20) 1445m地点〈リフト〉
瑪瑙山(0:30)1639mコル[雪上訓練]          【行動時間:0:50+雪上訓練:4:00
2日目[1/5()]
1639mコル [雪上訓練7:3013:00](0:30)瑪瑙山(0:35)戸隠スキー場
                                                                                     【行動時間:1:05+雪上訓練:5:30


こんにちは。2年の小野です。
雪山始めて2年目です。じつは記録にはありませんが、去年も雪上訓練はやってました!
本来、この雪上訓練はいつもよりも早めで11月の下旬に八方尾根で行い、12月と1月が暇な医学生(なお2月は試験三昧)は冬山で遊びまくろうと目論んでいた。しかし!今年の12月は暖かすぎた。
スキー場はオープンしないし、雪はないしで取りやめになって僕の雪山ライフは幻となってしまった。そんなわけでこの季節に雪上訓練をやる羽目になってしまった。
今回のセックン場所は、飯縄山である。北信五岳の1つである。まあ、雪上訓練にも向いている穏やかな山だし、人少ないそうだし、アプローチ良いし、というわけでこの場所に決めた次第である。そして、なんとこの山は今から遡ること8年前、私が初めて登山をした思い入れのある山である。最近では、前しゅしょーであるジョイマンさんが、山プレで紹介していたのが記憶に新しい。また、毎年祖父母の家から何百回も眺めている自分の中では超メジャーな山である。

そして、今回の山行ではワンゲル1年期待のエース、大岡くんが冬研に参加してくれることになり、今回が初雪山であった。これで冬研も安泰である。なおこの大岡、計画書とかを作るときキーボードでアルファベットのOを叩く回数が多すぎて毎回混乱を呼んでいる男である。今後の彼の努力が期待される。

さて、そんなこんなで、いよいよ入山を意識し始めた年末スキー合宿明け。不運なことに小野は半年ぶりに発熱、湿性の咳嗽などの症状がでて、寝込むことになった。なんとか平成最後の紅白をみて、Eテレでアニメのメジャー2の一挙放送も見たが、これで雪山とかやばそうと感じていた。しかしながら、自分の免疫機能も捨てたものではなく、当日の朝は若干の咳嗽が残るもののかなりの回復を遂げていた。

〜1日目〜

よし、今シーズンワンゲル初雪山だ!しかも快晴!と勇んでいたところ。現しゅしょーの新堀さんから寝坊して予定の列車に乗れず、約束の時間に間に合わないとの連絡。これで1時間出発が遅れてしまった。長野駅でやることもなかったので夜行バスで来ていた大岡と合流するが、なんとこの大岡、スタバにいた。私は21年という短い人生しか歩んでいないが、私の周りには余った時間をスタバで潰す高貴な人には恵まれなかった。今、目の前でガッシャブルム80L+モンスターゾーンで拡張したザックと共にゆうゆうとスタバでくつろぐ大岡を見て、不覚にも感動してしまった。そして、人生初スタバを大岡とガッシャブルムとマカルー 80Lとともに満喫していた。

無事に、新堀さんと木村さんと合流したのちに戸隠スキー場ゆきのバスに乗る。皆爆睡。終点が近くなると、戸隠の山々が目の前に現れた。冬の戸隠方面は初めて見る。1900m程度の山とは思えないくらい立派だった。自分の5年後の目標は冬の戸隠の雪稜と心に決め今年も雪山修行に励むことを心に誓う。さらに雪の高妻山も立派であった。これぞ戸隠富士という感じであった。これも3年後くらいには登るかもしれない。そんなこんなで戸隠スキー場について準備。2回券¥640を購入し、いざ入山。大荷物を抱えてのリフトは大変であった。そして、瑪瑙山までリフトで到達。北アルプスまでよく見えた。絶景かな絶景かな。


北アルプスと木村さん(右)&小野(左)


いざ、入山。さすがに、雪山フル装備は肩にズシリとくる。トレースは山スキーのものが残っていた。しかし、雪が脛程度と深いので、早速ワカン着用。手間取る。まだまだ修行が足りない。訓練場所でもあり、幕営場所でもあるコルまで各々ラッセル訓練を兼ねながら降る。その間に、大岡にツボ足歩行、ワカン歩行、ピッケルワークを教える。 
病み上がりの小野

ガラガラの声で何か教える小野とサングラスを抑えてかっこいい大岡
コルに着いたら、テント設営したのち、訓練開始。各種歩行の要点、初期制動、滑落停止、いろんな雪山ならではのこと、バケツ堀とか教えてたらあっという間に時間は過ぎた。頭には入っているけど、教えたり、習得してもらうのは時間がかかるなあとか思っていた。
休憩時間には、最近北大山岳部OBの米山さんが書いた「冒険登山のすすめ」を読んだのでそれに倣ってイグルー作ってみようとやってみたが、ふわ雪&踏み固めた雪はイマイチうまくいかなかった。研究が必要と感じた。出来損なってしまったイグルーは我々のトイレとなった。そんなこんなで訓練1日目は終了。

夕焼けがとても綺麗だった。
北アルプスと夕焼けと防寒テムレスをはめた小野

山行前にペミカンパーティ(ペミパ)をしていた我々にとっては久しぶりのペミカンではなかったが、ペミカンで夕飯。内容はキムチ鍋であった。訓練が長引いて、雪山では珍しい夜更かしとなった。その分夜空はまあまあ綺麗であった。我々以外に誰もいなかったのでみんなで山に自己紹介した。そして、狭いテントの中で身を寄せ合って寝た。特に冷え込むことはなかった。
星空キレー!
誰もいない雪山の夜ではしゃぐ小野

〜2日目〜

朝5:30起床。朝ごはんはワンゲル恒例のおもち。お正月らしいとかいう感情はすでにない。久々の冬山でテント生活に手間取ってしまう。さらに、皆の荷物が散乱し、カオスとかしていた。

そんなテントを脱出し、訓練を再開した。今日はロープワーク、支点構築、アバランチレスキューとてんこ盛りだが、テン場即訓練場所なので、時間はたっぷりあった。なお、天気は雪時々曇り。
確保訓練は足場ありの肩がらみ、スタンディングアックスビレイで山足と谷足どちらが良いかなど新たな発見があった。一方やはりロープの扱いで時間を食う。ロープを出しても時間を食わないように修行が必要だと感じた。自分にはあと3年以上必要かなと思った。大岡も手袋をしながらのカラビナ、スリングの操作に手間どっていた

肩がらみ確保を練習している

やはり、あまり動かないので寒い。なお、ロープ操作以外では防寒テムレスを初投入してみたが、なかなか暖かかった。
手袋での操作を頑張ってた大岡くん

最後に、アバランチレスキューをやり、新堀さんによるピットテストや弱層、ウィークインターフェースなどの解説があった。なるほどという感じでよい勉強となった。
13:00くらいには大体全部終わったのでテントを撤収し、帰った。昨晩にも少し降雪があったのでまたラッセル。荷物が重いのも合わせてちょっと大変だった。大岡は初雪山で結構なラッセルしていて大変そうだった。頑張れ!
テント撤収完了時の木村さん

ラッセル中

スキー場脇を歩いて、バス停着。ちょうどバスが発車するところで急いで乗った。
戸隠中社近くの神告げ温泉で入浴&食事をして山行終了
戸隠中社 雰囲気が良かった


【感想】
ロープワークはやはり時間がかかったのでもっとブラッシュアップが必要。人が少ない山域で静かに訓練ができた。今回の訓練を通して新たな発見、そして反省もあった。今シーズンの雪山に向けて各々課題が見つかったと思う。そしてやっぱり雪山は楽しい!
※新堀さんの写真がメインなので新堀さんがほとんど写っていませんでした。この場でお詫びいたします。

文責:44期 小野



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