2015年9月10日木曜日

H27年度大学生登山リーダー春山研修会

【日程】2015年5/20~5/26
【使用地形図】劔岳、十字峡、立山、黒部湖(25000分の1)
【概念図】室堂、および劔岳周辺、池の平山あたりまで書いてればいい

H27年度大学生登山リーダー春山研修会に2年の長尾が参加しました。春山研修会は国立登山研修所及び、剣沢夏山前進基地を中心に劔岳周辺で行われました。日程は初めの2日間が国立登山研修所で講義、実技が行われ、4日間山にこもり、最後の1日は研修所に戻り、講義、討論が行われました。日本の登山界を代表する方々が講師として各班につき、ご教授して頂ける貴重な機会です。

[1日目]
前日の日に東京駅から夜行バスに乗り、早朝に富山駅北口に到着。4列シートだったものの、乗客があまりいなく、2席独占できてとても快適だった。


地鉄駅前は大きなザックを背負った人がいっぱい。みんな強そうに見えて若干ビビる。

電鉄富山~立山まで1080円也

地鉄はレトロな車両が沢山走ってました

国立登山研修所について、早速ドキドキの班分け発表。なんだか新学期のクラス発表みたいな感じ。
班分けは2班でした。
(研修会はレベル別に班分けされ、班の数字が小さいほどレベルが上がる。春山研修会は5班が女子班、6班がスキー班だった)

メンバーは早稲田大山岳部、中央大山岳部、東北大山岳部、東工大ワンゲル部と一緒だった、この4人と一週間ともにします。
講師は、春日井山岳会の高津さん、富山県警察山岳警備隊の小高さんでした。

入所式の会場に入ると、2班のメンバー全員と初対面。一言も会話を交わさず。写真撮影を終え、入所式が終わると、早速地図読み・ナビゲーションの講義に入った。
その後、班別行動の時間になる。講師の方々の気迫に圧倒される。


その後、入山後の計画、食糧計画を行った。運動整理とトレーニング方法の講義を終え夕食。


[2日目]
この日は朝に立山駅前の清掃から始まる。意外とゴミが沢山落ちているものだなぁと思った。
春山気象の講義と事前課題のロープワークの確認、制限時間付きでテント設営の練習をした。
初めて知る結びかたを班員から知る。班員の技術の高さには感心させられるばかりでした。
この後は団体装備の分担、食糧の準備などを行いました。



[3日目]
天気:晴れ
朝早くに国立登山研修所を出発し、ケーブルカーとバスに乗り継いで室堂へ着く。アルペンルートと言えば、高く積み上がった雪の壁は室堂に近くならないと現れなかった。
これから入山するという緊張のためか、全く感動を覚えなかった。

この日は室堂を出発して、雷鳥荘経由で雷鳥沢ヒュッテへ向かう。雷鳥沢でいきなりテント設営訓練を行う。制限時間オーバーで一回やり直しした。
そのあと、雷鳥沢を通って剣沢乗越へロープ操作の確認も兼ねてfixで2P登る。
劔御前小屋からは登山前進基地付近のBCまでダッシュ。まさか、初日からやるとは思いもしなかった。

夕食。東工大でお馴染みの通称マグナム
でもキムチ鍋。
肉の量が一人あたり200g以上であることが基準だそうだ。

テントの目の前が劔なんです。


[4日目]
BCキャンプ       4:30
長次郎谷の出合    5:15-25
熊ノ岩          6:30-40
左俣                     7:40-50
劔岳          9:45-10:00
平蔵のコル      10:50-11:00
平蔵谷の出合     12:15-25
BCキャンプ     13:25


入山2日目にして劔アタックの日。ちょうどこの日にリーダーでした。
この日も快晴。

剣沢の雪渓を下っていく。カチンコチンに凍っていたため、あわや滑落しそうになる者もいた。ここで滑落すると下手したら真砂沢まで行ってしまうのだろうか...。
所々で落石注意のところがあった。
長次郎谷からは登りとなる。快晴のためか暑い。長次郎谷は一層落石に注意が必要。狭いため逃げ場がない。幸い落石にあうことはなかった。熊ノ岩では左俣へ出るコースに進む。

左俣からは岩がゴツゴツとし、所々で凍っていた。その為、Fix1P。時間を非常にかけてしまった。反省。Fixを終えてからすぐに山頂へ着いた。雪の残った山々が見れて、また登頂したという感動で胸がいっぱいになった。

劔岳山頂から池の平山方面

北アルプス

北アルプスその2



立山

メンバーと講師の方々

山頂から平蔵のコルまではは積雪が一部あるものの、岩が露出したところが多いため、アイゼンを外していった方がいい。カニの横ばい経由で降りていく。鎖にカラビナをかけて行くものの、岩がすごい切り立っていて、少し恐怖感を覚えた。

平蔵のコルからは平蔵谷へ降りていく。最初に懸垂下降を2P。新たに「ポラード」という技術を学ぶ。しずく型に溝を掘り(しずくの先が斜面側)、そこにロープをかける。アイスバーなどの装備が必要なく、カラビナとロープさえあればできる。これだけで大丈夫なのかと思うけれども、雪がそれなりに固まっていればできる。下方向の荷重に耐えられるようになっている。もし心配であれば、しずくの大きさをより大きくしたほうが強度が上がるとのことだった。

平蔵谷を無事降りきる。出合いから少し歩いたところで講師の方からアイゼンを外すよう言われ、恒例のダッシュをBCキャンプまで行う。前日とは違うところは登り坂である点。BCに近いほど急で、キックステップをきかせ、息を切らせながら登った。キャンプについた頃にはもうヘトヘトだった。

顔を出した劔




[5日目]
天気:晴れ
前日のロープワークに時間がかかりすぎたため、ロープワークの向上を重点にこの日は行動した。Fix、懸垂下降などを数多くこなした。
クロユリのコルから別山尾根に登り、別山へ向かった。別山のやや西側にある「アメリカン大陸」と呼ばれる急な斜面では懸垂下降を繰り返した。
傾斜が緩くなったところからBCキャンプまでの恒例のダッシュ。下り坂のおかげで前日よりはきつくない。
この日は気が弛み、ミスが多かった。下山までは気を弛めてはならないと猛反省。


剣御前小屋からの立山の景色

大日岳
[6日目]
天気:晴れ
ついに下山日を迎える。剣御前小舎まで搬送訓練を行う。ツェルトに講師の方をくるみ、搬送。ロープを有効に使う方法を色々と教えて頂いた。自分は1人で搬送をしてみたものの、雪に段差があるだけでも、全く進まなくなる。搬送は体力、筋力を非常に必要とすることが痛感できた。山では絶対怪我にしないように心がけなければならない。
雷鳥沢からはアイゼンなしで下る。ところどころで凍ってて少し怖かった(^^;)

無事に室堂に着くと達成感に溢れた。講師の方からコーラをご馳走になった。本当に美味しかった。
国立登山研修所に戻り、夕食後の班別協議では、講師の方から沢山のありがたいお話を聞いた。
この日の夜はグッスリ。


[7日目]
この日の講義は登山医学のみだった。午後では「山で生き残るためには」というテーマでディスカッションを行った。本当に皆さんいろいろと考えがあるんだなと思った。
講師の方は「どんなに強い登山者でも自然には勝てない。結局は運だ」とおっしゃってた。
閉会式を終え、無事修了書を受け取った。


一週間ともに過ごしたメンバーと別れを惜しみつつも、連絡先を交換せずに別れる。
講師の方が「LINEやらメールやらしてる暇があれば、技術を磨け!」と言ってたからだ。それにしても、交換したほうがよかったと少し後悔?

みんなは夜行バスで帰るも自分は祖父母の家へ。身体休まりました。
つくばに帰ると、溜まった課題と3つの中間レポートとゼミ発表の準備に追われる毎日でした。地獄だった。
開業間もない北陸新幹線で帰りました。


















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