2018年2月1日木曜日

2018/1/20-21 雪洞泊を夢見て ー上越「タカマタギ」

ガスに巻かれるタカマタギ

【山行名】上越大好き
【日程】2018/1/20(土)~2018/1/22(月)(前日発+1泊2日+予備日1日) 
【目的】雪洞泊をする、ロープワークをする、冬しか登れないタカマタギに登る
【山域】谷川連峰
【参加条件】2017年度冬山研究班員に限る 
【使用地形図】土樽(1/25000) 
【メンバー】新堀(2年/CL)、毛利(2年/SL)、岩下(2年)、長尾(4年)
【行程】
<1/20(はれ→ゆき→くもり)>
土樽駅7:00==7:23毛渡(けと)沢林道分岐[A]7:40==8:10尾根取り付き[B]8:20==11:00主尾根上部[C]11:10==11:30幕営地[D]
<1/21(はれ→くもり→はれ→ゆき)>
幕営地6:20==7:30棒立山[E]7:50==8:30幕営地9:30==11:00尾根取り付き14:20==14:50毛渡(けと)沢林道分岐14:55==15:15土樽駅
地図
[A]毛渡(けと)沢林道分岐
[B]尾根取り付き
[C]主尾根上部
[D]幕営地
[E]棒立山
《はじめに》
タカマタギという山をご存知だろうか。
冬山をやらない人はまず知らないだろうし、冬山をやっている人でも知っている人は一部らしい。
僕はこの山を10年くらい前のヤマケイで知った。比較的時期が浅くとも用意に入山できて雪洞泊のできる山。そして頂上からの眺望も素晴らしい。この上ない山だと思った。
実際に入山してみると、よく晴れた日曜日でも自分らふくめて3パーティーしか入山していなかったようだ。
みなさんも天気が良い時を狙ってぜひアタックしてもらいたい。

《出発まで》
本来、この山行は6人の予定だった。しかし、諸事情で4人まで減少。荷物が激増して大変だった。

土樽駅の時刻表。夏場は一日5往復。冬の休日はスキー臨のため+3往復。
出発は土樽駅。つくばを16:30に出なければこの駅にたどり着けない。毛利以外の3人は新幹線で越後湯沢駅へ。長尾さん、岩下、新堀の順番で越後湯沢駅に到着。越後湯沢駅は0:00~5:30まで封鎖されるため、ビバークできない。デポした荷物も回収される。泊まりたい人は気をつけたほうが良い。
このため、ガーラ湯沢駅前の健康ランドで宿泊(¥2400)。長尾さんは僕より2時間以上早く着いていたので、先に歩いて行っていたが、僕と岩下は到着が遅かったので、タクシー移動を選択。しかし、湯沢駅前のタクシーは全部出払ってしまい、深夜0時の寂しい湯沢の街をトボトボ歩いて健康ランドへ。まぁまぁ空いていてよく眠れた。

《幕営地へ》
翌朝は、始発で土樽駅へ。岩下が荷物を回収し忘れていて危うく電車に乗り遅れそうになっていたが、爆速で回収し、発車15秒位前に戻ってきた。危ない危ない。
駅へ至る道
土樽駅から前の車道までは、雪の階段で降りられる。ここが駅に至る道か??と言うような道。さすが元信号所。なんなら駅から見える範囲に民家はない。
夏用だろうか。車道脇にご丁寧に道標がある。
片側一車線のよく除雪された道を土樽の集落の方へ向かって歩く。毛渡沢を渡ったところを左折し林道にはいる。
林道分岐[A]
林道にはだいぶ古いトレースが付いていたが、ツボ足では不可能。わかんを装着し、林道を進む。ここから平標山へ入れる。平標山新道といって、群大の仙ノ倉山荘を経て平標山に至る。9.9km6時間30分。このルートの面白みがわからないがここに群大の山荘がある気持ちはわかる。筑波大小屋も作ってみたいものだ。
尾根に取り付く
平標山新道とは逆方向に行くとすぐに尾根が現れる。ここはスルーして次の尾根から上がったほうが良い。しっかりと赤テープがついているので注意深く山側を見ていれば見逃さない。
前週に雨が降りそのあとよく晴れたので、谷川エリアでは樹林帯での雪崩発生確率が「moderate」となっていた。(日本雪崩ネットワークの情報: https://www.nadare.jp/)このため、弱層チェック。全然問題なかったので意気揚々として入山開始!!

気持ちのよい新雪あるき
送電線をまたぐあたりで、景色が晴れる。
湯沢町の方の眺め
トレースの全くないきれいな雪面を上り詰めていく。
谷川の前衛峰を眺めつつ
横に見えるはうさぎの足跡。うさぎの足跡のあるところはあまり踏み抜かない。うさぎってすごいと思った。
主尾根上
棒立山を望む稜線。左は雪庇。
ここからは、朝日岳の方向がよく見える。この辺の山はしっかりと登ったことがないのでどれがどのやまか曖昧。
主稜線上で雪洞を掘る場所を確認
主稜線上で幕営適地を探す。
1050m付近のちょうどいい斜面を見つけて掘削開始!!

《雪洞掘削》


バケツリレー形式でほっていく。しかし、5mくらい掘り進めると地面が出てきてしまい、天井を上げると明るくなってしまった。積雪は170~230cmくらいあったがだめな模様。この時期掘れるのは、東北か立山しかないのかなぁ。
諦め
しかし、雪洞には泊まってみたいということで縦穴式に変更。
ここまでは新堀一人で十数分で掘った
縦穴のほうは足を十分伸ばせる程度まで2時間くらいで掘削完了。上に外張りをかけて、落ちてこないように赤旗で骨組みして完成!!
完成形
ここでご飯まで炊いたのだが、天気図+やまてん予報によると、晩から天気が悪化する予報だったので17時過ぎにテントを設営し移動。
なんとこのとき苗場で打ち上げていた花火を上から見ることができて少し感動。

《タカマタギへ》
翌朝6:20にテントを出発して、タカマタギを目指す。
天気は予報よりよく、降雪はほぼない。
最後の上りは勾配のきつい斜面のラッセルを強いらる。この上に出ると風が強くなる。
この辺の山域でこの時期の快晴はまれか。
棒立山にたつ毛利。
ガス巻くタカマタギ
うーん、やまてんも「谷川連峰新潟側では日本海にある気圧の谷の影響で終日天気が悪い」といっていたし、撤退するしかないのかという感じである。
風が強ーーい
タカマタギまでは行かずここで撤退判断。
軽く雪庇も発達しいい雰囲気。
道も新雪で楽しく軽快に下山できる。
しかし、天気は徐々に回復を始める。
下山中、徐々にガスが抜けてゆく
テント場につく頃には、晴れに。
撤退準備
ちなみに、幕営地~棒立山間は「風雪が強いんだなぁ」と感じられるスポットがあったのでご紹介。
八ケ岳の道標とかでよく見るアレ
真ん中にうっすら見える線は動物の足跡ではなく、雪庇によって発生したクラックの赤ちゃん。
樹林帯でもしっかりと雪庇が見られる。

《下山》
さて、軽快に高度を下げ、尾根取り付きまで2時間以内でついた。
僕と岩下は度々わかんを雪に引っ掛け転倒。慣れれば解決しそう。

途中イーグルを作ってるパーティーに遭遇。
翌日から荒れる予報だったので少々心配。

尾根取り付きで3時間程度
・ボラード懸垂・滑落停止・fixロープ
の練習をし、土樽駅へ。
帰り道でも降雪にあう
その後、上牧駅前の温泉に入り、帰宅。

この翌日関東でも雪が降り、山岳地帯は大荒れの天気だった模様。
いいタイミングで行けたのかな。


今度は楽しく雪洞泊したい&タカマタギ登ってみたい!!


【文責】新堀

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