2020年5月8日金曜日

2019/8/10-22 長期山行 〜山プレを兼ねて〜


 ワンゲルでは、年一回、北アルプスや南アルプスで長期山行というものを行っています。これは、10泊以上をかけて長期の縦走を行うというものです。荷物が重いとか長い間風呂に入れないなどといった負の面もありますが、長い縦走を歩き切った達成感はひとしおです。
 今回は、去年の長期山行のもようをお伝えしながら、長期山行の魅力を少しでも知っていただきたいと思います。

【山行名】南風に誘われて
【日程】2019/8/10()2019/8/22(木) 
【目的】南アルプスでの長期合宿
【山域】南ア・北部、南ア・南部
【使用地形図】 甲斐駒ヶ岳、仙丈ケ岳、鳳凰山、夜叉神峠、間ノ岳、奈良田、塩見岳、赤石岳、上河内岳、光岳、信濃大河原(1:25000)
【メンバー】C.L.若林(2年)、S.L.渡邊(2年)、村田(2年)、安濟(1年)          
【日程】
8/10 晴れ 13:00長衛小屋
8/11 晴れ 4:00長衛小屋―7:20甲斐駒ケ岳―10:20長衛小屋
8/12 晴れ 3:00長衛小屋―7:00仙丈ケ岳―10:30伊那荒倉岳―13:40両俣小屋
8/13 霧、小雨 4:15両俣小屋ー8:40三峰岳―10:00間ノ岳―12:00北岳山荘
8/14 雨  5:10北岳山荘―8:45農鳥小屋―10:00農鳥岳―11:00農鳥小屋
8/15 暴風雨 停滞
8/16 雨のち霧 12:00農鳥小屋―14:30熊の平小屋
8/17 晴れ、霧 3:00熊の平小屋―7:40塩見岳―11:30三伏峠小屋
8/18 晴れ 4:00三伏峠小屋―6:30小河内岳―9:10高山裏避難小屋
8/19 晴れ 3:00高山裏避難小屋―6:30荒川岳前岳―7:40悪沢岳―9:40荒川小屋
8/20 晴れ 3:00荒川小屋―5:00赤石岳―6:30百間洞山の家―10:00兎岳避難小屋
8/21 霧  4:00兎岳避難小屋―5:40聖岳―7:30聖平小屋―11:00茶臼小屋
8/22 小雨のち曇り 5:00茶臼小屋―7:00ウソッコ沢小屋―9:15畑薙第一ダム

<1日目>
8/10
 晴れ 13:00長衛小屋
朝6時前につくば駅を出発。去年のモーニングコール経験を生かし、起床連絡をするという対策で、遅刻者を防ぎ、最初の難所を乗り切った。ちなみにあともう一つの班は、後から合流。長衛小屋のテン場は、たくさんのカラフルなテントが整然と並び、はじまりの街という感じ。
夕飯は、名料理人・なべの指導の元、シチューを作った。調理方法の違いでここまで違うかという良い意味で山ご飯らしくない夕飯に舌鼓を打ち、床についた。とても幸先の良いスタート、のはずだった。。。
これは、ただのシチューではなかった。
<2日目>
8/11 晴れ 4:00長衛小屋―7:20甲斐駒ケ岳―10:20長衛小屋
 3時前に起床。少し早く目を覚ましたため、星空撮影などもして、優雅な朝だった。当たり前のように便通もよく、用を足し終わってズボンを上げ立ち上がったその時だった、「カタン」と音がしたのは。不吉な予感でポケットに手を入れた時、唖然とした。スマホがない。。。小屋の方に相談したが、1週間後に最終処分場送りだとのこと。防水で耐衝撃のタフネススマホもボットン便所の前では無力であった。こうして、優雅な朝は幕を閉じた。
 甲斐駒ケ岳のピストンは、快適だった。直登ルートをとったが、特に危険な箇所はなかった。頂上は、360度のビューで気持ちが良かった。
仙水峠、雲海を眺める
こんなにわかりやすい道しるべもないだろう
得体の知れない何か


<3日目>
8/12 晴れ 3:00長衛小屋7:00仙丈ケ岳―10:30伊那荒倉岳―13:40両俣小屋
 この日は、コースタイム9時間40分の山場だった。実際とても疲れた。仙丈ケ岳に登ってからゆるいアップダウンの繰り返しが延々と続く。前を歩く約2名は、しきりに「やっはろー!」と叫んで、励ましあっていた。そんな中でピークとしての威厳を感じさせる伊那荒倉岳は、忘れられない山となった。
甲斐駒ケ岳と日の出、花崗岩質の山肌が印象的
仙丈ケ岳を眺める

中央アルプスに思いを馳せて
道中の癒し、雷鳥
展望も悪く標識もしっかり見えない、だがそれでいいんだ 


長かった稜線を振り返って、仙丈がはるか遠くに見える
両俣小屋に着くと、突発的に焚き火が始まった。名料理人は、火を起こす術をも習得していた。疲れた体に染み入る煙だった。こうして山での生活に馴染んでいった。

生粋の山男
これがなかなかうまい
<4日目>
8/13 霧、小雨 4:15両俣小屋ー8:40三峰岳―10:00間ノ岳―12:00北岳山荘
 前日の疲れが癒えきらず、ペースが上がらない。稜線に出てもガスっていてモチベーションは、低くなっていた。コースタイムを大きくオーバーしながらもなんとか北岳山荘にたどり着いた。靴擦れに悩んでいた安濟は、北岳診療所にて昭和大のお姉さんに治療してもらいご機嫌であった。怪我の巧妙ってやつ?
標高は、剱と同じ2999m
道中の癒し、チングルマの綿毛

道中の癒し、オコジョ
あの日食べたカップ麺の味を僕達は一生忘れない
<5日目>
8/14 雨  5:10北岳山荘―8:45農鳥小屋―10:00農鳥岳―11:00農鳥小屋
朝、強い風と雨。1時間ほど待ったが回復しないのでやむなく北岳をカットして、農鳥小屋に向かった。すぐ、雨は霧になり北岳にいけたかもしれないという後悔が少しあった。農鳥小屋に着くと、ご主人が暖かく迎えてくださった。そこから農鳥岳のピストンは、メガネが曇って大変だった。取ればいいと思うかもしれないが、ある程度目が悪いと危険なのである。コンタクトが欲しいと思った。
道中の癒し、ニコニコマーク
いつの間にかメガネをかけているのは自分一人になっていた
小屋に戻るとそこは天国であった。こたつに入り、温かい飲み物を飲んで、思い思いの時間を過ごした。ジェンガもした。夕食の時間には、小屋の女将さんが余ったからと味噌汁をご馳走してくださった。台風が来るから明日停滞だろうけど、なんの心配もいらなかった。むしろ停滞に喜びを感じていた。

非常用メタは、こういう使い方もできるのである

だしが効いててとても美味でした
<6日目>
8/15 暴風雨 停滞
 朝からこたつでゴロゴロしていた。外は、ひどい嵐で風が小屋に当たる音が物々しかった。CLは、夜、小学生だった頃に戻った夢を見た後で感傷的になっていた。小屋に宿るおばあちゃん家のような雰囲気も影響したのだろう。貸してもらった朝井リョウの小説を読んでさらに感傷的になっていった。なべは、寝ていた。村田は、難しそうな本を読んでいた。安濟は、名物タオルに載っている農鳥小屋のご主人のありがたいお言葉を頑張って暗唱していた。みんなでトランプにも飽きてラジオから時折流れる台風情報に耳を澄ましていた。停滞で、英気が養われたのは確かだが、下界を思い出してもう帰ってもいいと思ってしまったのも事実であった。

<7日目>
8/16 雨のち霧 12:00農鳥小屋―14:30熊の平小屋
 昼過ぎから、天気が回復するという情報があり、長い滞在となった農鳥小屋に別れを告げて、熊の平小屋へ向かった。農鳥小屋の方々、とてもお世話になりました。本当にありがとうございました。外は、雨は止んでいたが、稜線上でもないにも関わらずすごい風であった。短い行程ではあったが台風の恐ろしさを目の当たりにした日であった。
この日のテン場、テントからは異臭がした
<8日目>
8/17 晴れ、霧 3:00熊の平小屋―7:40塩見岳―11:30三伏峠小屋
 この日はコースタイム9時間40分の長丁場であった。しかし、食糧も軽くなったせいか軽やかな足取りであった。最初はガスっていた道も塩見岳の頂上に着く頃には晴れ上がり、爽快であった。塩見岳の下りは、結構ガレていて落石などに注意する必要があった。
深い森が南アルプスの魅力である
慎重に
雲の上に出た
ブロッケン現象

天空へ続く道
三伏峠小屋の水場の上からは、夕日に染まる塩見岳がよく見えた。長い天候不良と停滞から復帰したこの日は、初日のような新鮮な気持ちで山歩きの高揚感を取り戻した日であった。
塩見岳、いい山だ
暮れゆく渓谷
<9日目>
8/18 晴れ 4:00三伏峠小屋―6:30小河内岳―9:10高山裏避難小屋
朝からずっと片側が崖というようなスリリングな山登りであった。小さな小屋が立つ小河内岳を目指して歩く。それにしてもよくあんなところに小屋が立ったものだと思う。この小屋は、風景の良いアクセントになって写欲に駆られた。また、苔むした森も美しかった。高山裏避難小屋には早く着いたが、小屋のご主人が賞味期限が近いからと菓子パンをくださった。久しぶりのパンを大事に味わった。
いいところに立ってるなあ
遠く富士を眺めながら
今日のメイン、小河内岳

伸びたあご髭が気になるCLとしたり顔の某隊員

道中の癒し、幼木
高山裏避難小屋はおとぎ話の世界だった
<10日目>
8/19 晴れ 3:00高山裏避難小屋―6:30荒川岳前岳―7:40悪沢岳―9:40荒川小屋
 この日は、朝からひやっとする体験をした。暗い中でヘッドライトをつけながら歩いていたら、目の前の村田が視界から消えたのだ。足を踏み外したらしく、2回転ぐらいしながら3mほど滑落した。かすり傷程度で済んだからよかったものの、なんでもないようなところにも危険は潜んでいるのだという教訓になり、気を引き締めるきっかけとなった。
 荒川岳前岳カールの登りは長かったが、振り向くと広がる圧倒的な風景を早く頂上から見たいという思いで、足の進みは軽かった。前岳に登るルートは、エアリアで破線となっていたが、特に危険なところもなかったし、道はわかりやすかった。前岳からは、どっしりとした赤石岳が見えた。
今回の長期一の絶景
赤石岳
前岳から悪沢岳に行く途中で、サプライズ隊の方々に遭遇した。久しぶりに班のメンバー以外の人に会って、気恥ずかしさがあったが嬉しかった。
悪沢岳山頂

荒川前岳への戻り
荒川小屋に着いたら、サプライズ隊の方々が出迎えてくださりパーティーが始まった!スイカを始めとしたご馳走が弱った胃を刺激して、はしたなさ全開で夢中無言で貪ってしまった。サプライズ隊の皆さん、本当にありがとうございました。そして、米の補給など身勝手なお願いをしてしまいまして、申し訳ございませんでした。
食べることに夢中になりました
サプライズ隊の皆さん、本当にありがとうございました
<11日目>
8/20 晴れ 3:00荒川小屋―5:00赤石岳―6:30百間洞山の家―10:00兎岳避難小屋
 この日は、百間洞までの行程の予定だったが、前日のサプライズ隊の皆さんからいただいたパワーでかなり巻いたため、兎岳避難小屋まで行くことにした。赤石岳の山頂の惑星感はすごかった。個人的には、雲の動きの速さなど木星に来た感覚だった。目の前の風景を見て違う土地を連想することはよくあるが、地球を飛び出したのは初めてだった。そこから快調に、百間洞まで進み、そこからややきついアップダウンを超えて、避難小屋に着いた。避難小屋は、外見こそあれだが、中はとても綺麗だった。
木星感

聖岳の雄姿
ドアがきちんと閉まらないのが難点
占拠した図
<12日目>
8/21 霧  4:00兎岳避難小屋―5:40聖岳―7:30聖平小屋―11:00茶臼小屋
 この日は、朝から濃い霧と強風に悩まされた。奥聖岳のピストンは、その稜線に入った瞬間に体が浮くような強風に恐怖を感じカットした。聖平小屋を過ぎたあたりで、次の日の天気予報が手に入り、雨が明日以降も続くようであったので、光岳をカットすることに決め、バスの予約をした。光岳は、よく考えればよほどのことがない限り雨でもいける山であったので、軽率な判断であった思うし、自分自身を含めメンバーの心理状態として、カットに甘えてしまったところがあったのかもしれない。そこのところも含めてさらなる成長が必要であると感じた。
 茶臼小屋に着いて、最後の晩餐を始めた。専用の炊事室があり、そこでゆっくり食事した。明日下山できる嬉しさを隠しきれないものであった。
道中の癒し、ウサギ
余った食材を贅沢にいただいた
<13日目>
8/22 小雨のち曇り 5:00茶臼小屋―7:00ウソッコ沢小屋―9:15畑薙第一ダム
 この日は、時間に余裕があったのでいつになくゆったりとした出発だった。不安要素のあった橋を次々とクリアして、とうとう畑薙大吊橋の見えるところまできた。すると全員でどこかの部族のように「キーーーーー」だの「ヒャーーーーー」だの「Foooooo!」だのという奇声をあげながら、我先にと降りだした。本能が呼び覚まされた瞬間であった。その間、誰ともすれ違わなかったのが幸いである。
吊り橋1
吊り橋2
吊り橋3
畑薙大吊橋
 しかし橋を渡ってからが長かった。先程までの元気も消えて無言でアスファルトの道を2時間ほど歩き続けた。やっとの事で温泉につき2週間分の汗を洗い流した。温泉に入った後の酒の回りかたは尋常じゃなかったな。

<反省>
若林
団体医療パックの中身を確認していなかった。
朝の準備が遅い時もあった。
スマホを落とした。
渡邊
天候判断などがうまくできた。
全体的に甘さがあった。
休憩などのタイミングをもっとC.L.が声がけすべき。
村田
水筒としていろはすのペットボトルを持ってきてしまった。
滑落してしまった。
安濟
朝の準備が遅い時があった。
天気図を早く描けるようになった。
靴擦れを起こしたが、うまく対処できた。




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