2015年3月24日火曜日

2015/3/21,22 冬研鳳凰三山


【山行名】猪突猛進
【日程】2015/3/21~22 (前夜発+1泊2日)
【目的】冬の南アルプスを縦走する
【山域】南アルプス
【使用地形図】鳳凰山(1/25000、1/10000)
【メンバー】長尾(1年 C.L.、会計、気象) 井上(2年 S.L.、食糧、装備)
【概念図】


今回は本格的な冬山経験1年目の者のみの山行。冬の鳳凰三山は、雪崩やルートミスといった冬山特有の危険が少なく、冬山初心者向けの山である.。そのため、H26年度冬研の最後の山行場所として選ばれた。



前日
夕方につくばを出発。
今年度で三度目の甲府駅でのステビバ。甲府駅大好き(棒)
春が近づいているためか、暖かく、寒い思いをすることはなかった。

また甲府かよ

1日目 3/21(土)
【行程】
夜叉神峠登山口 6:15
夜叉神峠     7:13-28
1980m地点     8:25-35
杖立峠       9:13
2170m地点     9:30-45
2370m地点        10:35-45
苺平        11:15
南御室小屋    11:45



朝4時半に起き、タクシーに乗り込む。
夜叉神峠登山口まで1時間ほど。運賃はおよそ9000円。
路面凍結、積雪などで登山口までタクシーで行けない場合もあるので、事前の確認が必要だ。

6時頃に登山口到着。夜叉神峠の駐車場には既に何台かの車が止まっていた。
登山口付近の登山道は雪が全くなかった。
いざ出陣


秋の全体山行ではここを下りたが、今回は登って行く。荷物が重いためか割とキツい。
夜叉神峠に近づくほどアイスバーンやら雪が増えていく。尾根に合流すると雪が急に増える。
ここ最近の気温が高かったためか、夜叉神峠付近で踏み抜きを何回かやらかす。早くも萎える。
登山道は明瞭なので、道に迷うことはない。
夜叉神峠は天気が良いと南アルプスを望めるが、ガスってて何も見えなかった。

銀世界ですねー




タクシーのおじさんが言っていた通り、夜叉神峠の時点で積雪が多く、早速ワカンを付けることにした。先に出発した大学生グループが何もつけず、ズボズボと踏み抜いて行ったのを見て、つけて良かったと思うが、それは束の間。夜叉神峠をすぎてすぐに積雪が少なくなり、地面が顕になったり、アイスバーンがちらほら。登りずらい。ワカンをつけたことを後悔する。杖立峠まではそのような感じだった。
杖立峠の道標はしっかりとある。



杖立峠からは積雪が急激に増え、ワカンを履いて正解。トレースは顕著で、しっかり踏み固められていた。登山道から少し外れると踏み抜く。
この日は風がなく、麓の甲府は最高気温20度を超える予報だった上、長い登りのため、2枚着ていても汗だく。久々に水が美味しいと感じる。夏山みたいな感覚。ここは本当に冬山か?笑
ちなみにC.L.は、上はアンダーウェア一枚で登った。手袋は冬用ではなく、日常生活で使うようなアプローチ用手袋で十分。
次期副将の貫禄
辻山
ガスの切れ間から見えた北岳

苺平までひたすら登り。苺平の道標は雪でほとんど埋まっており、見落とし注意。このあと、辻山を巻いて南御室小屋まで下っていく。途中でauやdocomoの電波が通じる地点を案内してくれる看板が建っている。小屋付近は電波が通じないためだ。docomoは小屋から60mほど離れた場所、auはそれより遠い場所だった。
夏道とコースタイムはほぼ変わらず南御室小屋到着。
苺平

南御室小屋。営業しておらず。テントを設置した跡がたくさんあった。

冬期用トイレは使えた。トレペがあったが、忘れ物か。
女子用トイレもあったが、雪が中まで入っており、便器には雪が積もっていた。

水場が使えた!! 南アルプスの天然水。
水場は小屋の東側にある。

午後になると続々とテント泊の方々が。久々の賑やかなテン場でした。

水づくりの手間が省け、シチューを食べて6時就寝。夜もそれほど寒くなく、防寒着いらずで寝れました。




2日目 3/22(日)
【行程】
南御室小屋         5:25
薬師岳        6:33-45
観音岳        7:16-33
地蔵岳        8:25-40
観音岳        9:43-55
薬師小屋付近   10:20-30
南御室小屋    11:00到着、テント撤収、休憩、11:50出発
苺平         12:18
杖立峠              13:08-20
夜叉神峠     14:00-15
夜叉神峠登山口 14:45


4時起床。スープパスタを食べて日の出前に出発。空にはほとんど雲がなく、好天が期待できた。
アイゼンを装着して急登を登る。トレースばっちり、しっかりと踏み固められており、アイゼンで正解。森林限界を超えると雪が風で吹き飛ばされたため、所々で砂地が顕になっていた。この日は風が弱く、晴れていて、絶好の登山日和。
砂払岳は大きな岩石があり、岩を少し登って行く。アイゼン歩きに慣れていない方は、アイゼンを外したほうが懸命か。
アイゼンの取り外しがめんどいのでそのまま行く。
南御室小屋方面

気持ちいい

日の出

手前が薬師、その左が観音

薬師小屋は埋まっており、煙突?だけが見える。
トレースが小屋の上を通っていたけど大丈夫か?

トイレは埋まってないが、扉の前に雪があるので使えない。


薬師岳へは巨岩を目印に行く。下りは天候が悪いとルーファイが難しいらしく、一応赤旗を持って行ったが、バリバリの晴天で今回はいらなかった。
北岳頂上はガスがかかっていました。

薬師岳の頂上です。東と南側はあまりスッキリしていませんでした。

観音を捉える

観音までは砂地を歩いたり、雪の上を歩いたり。アイゼンはいらないと思う。
気持ちのいい稜線歩き。

ヒャホォォォォォォイ

何故か観音ポーズ 

自撮り。誰かの真似らしい。

U★N★KA★I

北岳のガスが取れていた。冬の北岳かっこいい。


地蔵岳。奥に見えるのが赤岳などの八ヶ岳


観音からは岩稜地帯を下っていく。鳳凰小屋分岐まで雪はほとんどない。
赤抜け沢の頭を巻くが、地蔵岳側の斜面が今までの行程の中で一番急。アイゼンを雪にしっかり効かせながら慎重に降りていく。雪が硬いため、一回じゃしっかり刺さらない。先に降りてた老夫婦の奥さんが5mほど滑落。幸い無事でしたが、慎重に行かないとダメですね。
地蔵岳まであともう少し。


一作さんの真似をする次期主将
地蔵がいっぱい

オベリスクと。唯一の集合写真
夏に行った仙丈ヶ岳(左)、甲斐駒ケ岳(右)も見えます。
全体山行では唯一見られなかった絶景。

来た道を引き返します。赤抜け沢の頭の登りも慎重に。単調な登りが多かったので、手足使う登りが楽しかった。
なんかかっこいい

観音岳を過ぎたあたりから風が強くなってきました。早めに行けて良かった。
南御室小屋までの樹林帯はこれでもかぐらいに赤印がついている。迷うことはほとんどないであろう。
11時に南御室小屋到着。はじめは2泊の予定だったが、時間的にも体力的にも余裕があるため、この日に下山することにした。

行きの反省を活かして、アイゼンで下山することにした。気温が上がってきたためか苺平を過ぎたあたりに踏み抜きが多数あった。
夜叉神峠ではdocomoの電波が通じるので下山後のタクシーを予約。
アイスバーンがなくなったあたりでアイゼンを取り外し、すぐ登山口に着いた。
タクシーで甲府駅まで行き、全体山行でも行った喜久之湯と呼ばれる日帰り温泉に入り、ほうとうを食べてつくばへ戻りました。
時間が経つほど曇っていった。
甲府には何度も来ているが、ほうとうを食べるのは初めて。
美味しかったですヾ(*´∀`*)ノ

まだ報告していない山行はありますが、この山行にてH26年度ワンゲルの活動は終わりです。この一年間、活動の中で大きな事故や怪我がなくて良かったです。それは先輩方の指導がしっかりしていたおかげだと思います。卒業される先輩方、引退される先輩方、ありがとうございました。

4月からは新体制となります。来年度も事故や怪我がないように、安全第一で活動していきましょう。
そして、来る新歓では頑張って1年生をジャンジャン入れましょう!
そこの君、ワンゲルに入って来るのを待ってるよ!


【反省】
長尾:
準備がギリギリすぎた
スパッツ破れているの気づかず
重い荷物になると弱いので、筋力をつける
行動中の落し物に注意(今回はヘッドランプ)

井上:
アイゼンで雨具を破いてしまった



2015年3月18日水曜日

2015/2/28~3/3 冬研 上州武尊山

【山行名】銀鱗躍動【山域】上越国境
【目的】春の合宿に必要な技術、体力を身につける
【日程】2015/2/28(土)~3/3(火) 3泊4日(2泊3日+停滞1日)
【使用地形図】藤原湖、鎌田、追貝、後閑(1/25000)&鎌田(1/10000)
【概念図】

【メンバー】C.L./食糧 井上(2年(40期))、S.L./気象/会計 長尾(2年(41期))、装備 角田(4年(38期))
以下、武尊山頂まで同行。梅田先生(OB(17期))、重藤さん(OG(27期)、林さん(OB(30期))
()はワンダーフォーゲルクラブの会期
【行程】(地形図、エアリア等を参照にしながらご覧ください)
[2/28(土)] つくば(車)道の駅「川場田園プラザ」(車)川場スキー場9:30~スキーリフト最上部10:00
                    ~剣ヶ峰山10:40~1975mのピークを少し超えたあたり11:25~40~武尊山12:15~50~
                   中ノ岳13:25~川場剣ヶ峰手前のコル14:50(雪洞堀り)17:50    21:30就寝
川場スキー場
川場剣ヶ峰の3峰がよく見える
きれいな稜線歩き


先生交えて記念撮影(/・ω・)/

さらばOB&OGさん方!

雪洞案外温かいです。ひどい顔

この広さ!
 未明につくばを出発し、道の駅「川場田園プラザ」までレンタカーで移動。3時間ほど車中寝して、梅田先生と合流。川場スキー場まで車に乗せてもらい、スキー場にて登山届を提出。リフト稼働次第登り始めた。始めはワカン、途中からワカン+アイゼン。この日は天気に恵まれたためか登山客が多く、30名ほどいた。トレースもしっかり残していただいたので、比較的登りやすかった。しかし、剣ヶ峰山手前の急な登り、山頂のほそい稜線、岩稜での急な下りには少し手間取った。その後は、気持ちのいい尾根歩きで晴れ晴れしかった。南東側に雪庇が多かった。OB&OGさんの温かい飲み物おいしかった(*´ω`)山頂手前での急な登りを終えると、360°山、山、山の大パノラマが。人が多かった。風はあまり吹いてなかった。山スキー目的のOB&OGさん方とはここでお別れして、再び縦走再開。武尊山~中ノ岳から登山客がほぼいなくなり、トレースも消える。南面の三ツ池(があると思われる)付近で雪洞泊orテント泊する予定であったが、もう少し行程を伸ばせると判断してそのまま進んだ。三ツ池周辺は平らな地形でたしかにテントが張れそうである。中ノ岳以降はトレースはもちろんなく、膝上まで雪にズボズボはまるはまる。交代でラッセルしつつ進む。家ノ串山は東面から巻いたのだが、このあたりの雪は特にゆるく、下肢全体でラッセル。雪崩れないように慎重にトラバースした。川場剣ヶ峰手前のコルの東面あたりでちょうどいい積雪量の場所があったため、そこで雪洞泊することにした。3hほど時間がかかったが、広さ、耐久性ばっちりの雪洞が作れた。
[3/1(日)] 4:00起床6:20出発~川場剣ヶ峰と前武尊の間のコル16:20~16:35~前武尊17:10~不動
      岳の岩稜の手前のコル付近18:40  21:30就寝
川場剣ヶ峰と不動岳のロープワーク(右から左へ移動)

ほぼクライミングと変わらない恐怖感ありました

ビレイ待ち。何も見えない。風強い

川場剣ヶ峰という強敵に立ち向かった1日
 
 上の日程や写真のとおり、想定を遥かに超えるロープワークを行った。角田さんの図(上記写真)を見ていただければわかりやすいかと思う。交代で、トップ、ビレイ、中間者を変わりつつ、マルチピッチで進んでいった。この日は天気が悪く、風が強かったので、ほそい岩稜にもロープワークを必要としたため時間がかかったと思う。懸垂下降の技術は必須だ。アンカー構築には樹木やハイマツを束ねるなど利用。鎖はあんまり心許ない(;'∀')のでチェック必須。最後の峰の下降が長く、また、樹林の間を懸垂下降するので一番怖かった。川場剣ヶ峰を抜けると、広いコルに出て、ここでワンゲルの留守隊に連絡(携帯はDOCOMOなら繋がるところが多い)し、今日中の下山が厳しく、テントにてビバークすることを告げる。その後、前武尊で、3本の尾根の一番西側にある尾根を進み、ルートを間違えてないか適宜、コンパスと地形図を用いつつ不動岳の方へ進む。不動岳の岩稜の気配を感じたあたりのコルで、よさそうな場所を見つけたので、そこにてテント泊。行動限界時間間近であった。その場所でも電波が繋がったので、留守隊に連絡した。また、天気予報も調べて、明日までは悪天で風が強いことを再確認した。
[3/2(月)]
 6:00頃に外を見回したところ、100mくらい先まで確認はできたが、風が強く、不動岳の岩稜を渡るのは不可能と判断。この日は停滞することに決めた。角田さんが1度外に出てテントをチェックした以外はひたすらテント内に閉じこもって、寝て過ごした。
[3/3(火)] 4:00起床6:00出発~旭小屋12:20(タクシー)道の駅「川場田園プラザ」
この日もロープワーク

樹林帯成分多め
下山したときの喜びよう\(^O^)/
  天候がよいことを確認し、行動開始。川場剣ヶ峰の図の下に不動岳でのロープワークの図が書かれているのでそれをご覧いただきたい。始めの登りは見た目以上に難しかった。道がかなり細く、身の危険を感じながら進んでいた。その後に懸垂下降するとき、場所が3人居座るには狭かった。川場剣ヶ峰付近よりも雪が緩かった気がする。不動岳の岩稜を乗り越えた後は、樹林帯に入っていったのだが、始めのころは尾根の分岐で手間取うことがあった。あんまり顕著な尾根ではないので、読図能力は必須だ。なお、ここまで赤テープ等のしるしは一切確認できていない。旭小屋直前にてようやく1つ見つけたレベルである。旭小屋が見えたあたりから沢に入ったのだが、最終的に沢を渡って、車道の路肩に出るハメになったのでそのまま尾根を降りきったほうがいいと思う。LASTの沢~車道までの登りは雪が一切固まらずにバンバン踏み抜いてつらかった。


【反省点】
井上 川場剣ヶ峰、不動岳でのロープワークが予想外であった。夏道での写真を見つけていれ
    ば、もっと時間がかかることが予測できたと思う/予備日2日目の朝食を忘れていた/ロープ
    ワークの向上(ロワーダウン、ハーフクローブヒッチでのビレイなどが使えると楽なところが
    あった。アンカー構築の方法ももっと学びたい)/1年生のコンパス合わせが不安/ラッセル力
    の向上/スパッツのチャックが空きやすくなっているので直す
長尾 テント内での行動(衣類を燃やさない)/ロープワークの向上/雪洞の作りが高校の時と違って
      戸惑った/装備の左右を間違えていた/コンパス合わせ能力up
角田 クライミングの際、ピッケルが外れてフォールしたこと→気が抜けていた/1日目に個人の米を
           食べ過ぎた/2日目の幕営地が案外風が強かったので、もっといい地点があったかも/ルート
    ファインディングがGPS頼りになっていた面がある
[アドバイス] ・地形図アプリ(GPS)はあった方がいい
        ・ラッセル、アイゼンワークの向上
        ・ロープワークの経験値が足りない
        ・本気で冬山に挑むなら、夏や秋に下見したほうがいい