2019年2月7日木曜日

2019/2/2-3 赤岳真教寺尾根

【山行名】志ん喬
【日程】2019/2/2(土)2019/2/4(月) (前夜発 1泊2+予備日1
【目的】雪山でのミックス帯の登り方、ロープワーク技術を習得する

【山域】八ヶ岳
【使用地形図】八ヶ岳東部 (1:25000)
【参加条件】2018年度冬山研究班員に限る。
【メンバー】4名 C.L. 岡本、S.L.小野
、小林、岩下
【行程】
前日 [2/1(金)] つくば<鉄道>小淵沢駅
1日目 [2/2(土)] 小淵沢駅<鉄道>清里駅(6:42)ー
         美し森(8:00)ー牛首山(13:30)ー幕営地(14:00)
        ー就寝(18:00)

2日目 [2/3(日)] 起床(3:00)ー幕営地(4:00)ー
        Co2600付近の鎖場(7:45)ー赤岳山頂(9:30)ー
       Co2600付近の鎖場(10:40)ー
         幕営地(12:45〜13:30)ー牛首山(14:00)ー
         美し森(16:00)<タクシー>清里駅<鉄道>つくば

こんにちは、2年の小野です。いよいよ試験が近づいてくる中、山に登ってきました。行程は上記の通り、かなり大まかだが、地点間で2回程度休憩を10分から15分程度とっている。

前夜に授業を終えた我々は、鉄路にて小淵沢へ。

〜1日目〜
翌日に始発で清里駅へ。今年に入ってワンゲルとしては3度目の八ヶ岳であった。小野と岩下は、2週間前にも権現に行った。八ヶ岳さまさまである。
転がる小野のマカルー 80L

清里駅から徒歩で美し森へ行く。ダラダラとした道路で憂鬱。美し森に到着し準備を整え、8:00に出発。美し森のトイレは冬季閉鎖でがっかりした。


朝の美し森
あとは、ダラダラと登っていく。少し前に雪が降ったので地味に足首くらいのラッセル。賽の河原から少し行ったところで、岩下さんの荷物を小野と小林さんで分担して持った。小野のマカルー 80Lはよくわからない大きさになってしまった。この増量と地味なラッセルと暑さから小野はこの後バテた。あとで岩下さんに袋の中身を聞いたら、アイゼンなど諸々が入ってて道理で重かったわけだと思った。実は岩下さんはドSなのかもしれないとか思ってしまった。そのままダラダラとスキー場の横を通り過ぎて登っていった。リフトいいな〜とか思っていたら、小林さんが「リフトとか外道」と言っていて意識の高さを感じた。自分もこんな風になれるのだろうか?


小野とマカルー 80L
さらに牛首山までの急登。自分はザック増量などもろもろの影響でバテてた。トレースはここまであったのだが、半分くらい埋まっていたので消耗した。途中から膝上ラッセルの部分もあり、ワカンも装着。ここでさらに、小野に災難が襲う。ワカンの紐を締めている時、右の親指の爪がぐにゃっと曲がった感触がした。嫌な予感がした。グローブをとると爪が剥がれていて血が出ていた。あ〜あ。テーピングをして圧迫止血。今日はバテるし、爪剥がすしだめだな〜とか、血流悪くなるから凍傷気をつけなきゃなーとか思ってた。そこからすこし頑張ると牛首山到着。なるべく、真教寺尾根上部の急登まで近づきたいのでもう少し歩く。そこから2つくらい先のピークで幕営地に決めた。岡本さんと小林さんで偵察。小野、岩下さんで水作りの準備。結構疲れたので小野は大切にしていた苺クリーム大福をほおばった。サイコー。人生はこの苺クリーム大福のためにあったとは過言ではないとさえ思った。生きててよかった。
生きててよかった苺クリーム大福

あとはひたすら水作りと夕飯。今晩はビーフシチューであった。前回の権現でホワイトシチューであったので、次の3月の赤岳はカレー系で行こうかと思った。これも岩下さんの力でとても美味しかった。
ビーフシチューとごはん

翌日は午後から天候悪化の予報、撤退時間と上部の鎖の状況について確認した後に早めの就寝。
小野は、寝つきが悪かったので、walkmanでサカナクションの「アルクアラウンド」をひたすらループして、諏訪根自子のバイオリン聴いてたら眠れた。音楽は偉大。そとは結構風が強かった。

〜2日目〜
朝3時起床。みんな大好き恒例のマルタイ棒ラーメンをいただく。4時出発。トレースのおかげもあって結構速いペースで行く。
甲府盆地の夜景
雪質は軽く表面風が当たる斜面では、5cmだけ硬く軽い層になっていた。森林の下や吹きだまりは、サラサラの雪。
甲府盆地の夜景も綺麗で、このままだと鎖場に夜明け前に着くんじゃないかとか言っていたが、甘かった。Co2400くらいで、「トレースがない!」右を見ても左を見ても真っ暗な森と真っ白な雪があるだけ。昨日すれ違ったパーティはここで撤退したのか...
あとは30歩から50歩くらいごとに交代してひたすらラッセルラッセルラッセル。深さは腿から首がひたすら続いていた。みんな溺れてんだか何やってんだかわからないままじわじわ進む。雪質の弱点をついてルーファイしていき夜明けとなった。
夜明けpart1

松竹映画のオープニング

後ろを振り向くと自分たちで切り開いた道と最高のモルゲンロートであった。
日の出直前のラッセル

ラッセル跡

上を向くと、真っ青な空と赤の木々が幻想的だった。生きててよかった瞬間part2であった。
写真加工しなくてもこれくらいすごかった!

それでも、まだ先はラッセル。のろのろと進む。Co2650ですこしラッセルは緩くなり急傾斜の斜面が続く。何人かは裾をアイゼンで引っかき穴が空いてしまった。僕はあかなかったのでよかった。
胸ラッセル

ラッセル

小林さんと岡本さんで先頭を交代しながら進む。ロープは出さない。雪でしっかりステップが切れるので最初はそれほど怖くはなかったが、Co2650付近の岩場ではサラサラの雪が岩についているだけなのでフットホールドのかかりが確かめられず、だましだまし行く感じであった。小林さん曰く、岩ではなくそこから少し外したところだとアイゼンが結構決まったとのこと。足場選びは重要。鎖が出ていたからよかったが鎖がなければ結構厳しい。ロープを出そうにもランナーがとれないので夏道からは外れることになるだろうとか話してた。今回は、鎖にセルフビレイを取りながら進んだ。
急斜面だが雪のステップは安定している


雪のつきかたが悪かった


核心部
山頂直下

横には赤岳東稜と県界尾根が荒々しく見えていた。赤岳東稜はいつか登りたいなあとか思いながらよくルートを見ておいた。そうこうしているうちに、山頂直下の赤岳沢のトラバースとなった。雪の状態が悪ければフィックスを構築し残置していこうとなったが雪が溜まっていて、落ちそうにはなかったので、そのまま通過。あとは、主稜線を進み、文三郎道と合流し、頂上。去年から冬だけで3回も行っているが、今回の達成感はデカかった。
山頂から南アルプス方面

みんな大好き阿弥陀岳


同じ日に小同心に行っていた新堀さんと毛利さんに向かって愛の叫び


風が強かった
風が結構強く、体が煽られたので早めに帰り、真教寺尾根分岐から少し行ったところでようやく一息ついた。ここで登頂の喜びを噛み締めながら2度目の苺クリーム大福を食べる。生きてる喜びを感じた。
真教寺尾根のスカイライン

トラバース直前の鎖場も慎重にバックステップで降り、行きでもっとも悪かったCo2650の岩場では1ピッチの懸垂下降。時間がかかったが無事通過。
懸垂下降中
お隣の天狗尾根
帰りは雪質が大きく変わってとても重い雪だった。アイゼンに団子が多くついた

あとは、行きのラッセル跡をひたすら下りて幕営地。ここでも苺クリーム大福を食べる。さっさと撤収し、また降りる。地味に牛首山への登り返しとかがきつかった。ラッセルと急登で体力を持っていかれた感じがした。あとは重力に引かれるようにひたすらおりて、美し森。さすがに清里駅まで歩く気にはなれず、タクシーを呼び、駅に到着。レストランますやで急いで定食をたべ、つくばに帰った。ますやのおかみさんは急いでいる我々にも優しかった。小林さんは東京で牛タンを食べに行ったようで、羨ましかった。
雨が降る前に下山完了



文責:44期 小野


2019年2月6日水曜日

2018/11/23~25 伊豆諸島 天上山(神津島)、三原山(伊豆大島)

山に行ったあと、装備を返すほかにも様々仕事がある。
会計報告書の作成、山行報告書の作成、このブログの執筆もその中の一つだ。
それらの進捗状況を一元管理しているのが、「山行リスト」である。

今年度すべての山行審査が終わったタイミングで、山行リストを再確認してみると、以下のようなことが分かった。
1.今年度の山行件数73件(毎月平均6山行)※1
2.ブログの書かれた件数23件(ブログ執筆率43%※2)
 ※1:雨天等で中止された山行を含む
 ※2:現時点で実施された山行数:54件のため
山行数がかつてないほど増えたのは、クラブが元気な証拠でよいことだが、このブログ執筆率の低さ、何とかならないかなぁ、と思うところである。
ところが、よーーくリストを見ると、自分がC.L.の山行なのに未執筆のものがあるではないか!恥ずかしい事態、、、。
それが、この伊豆山行である。
文章=新堀剛史
神津島最高峰天上山山頂にて
11月22日(木)
つくば<鉄道>竹芝桟橋<フェリー>
昨年度から定例活動日となっている木曜日。
でも、今日は山行出発のために8人も休みである。
4年生の1名をふくめ、9人の大所帯。TXにのりこんで芝浦桟橋に向かう。
時間に余裕をもって出発したので、竹芝で少し時間ができる。
鬼ごっこをするもの、静かに時間を待つもの、慌しく食料調達するもの、9者9様といったところだ。
今回の山行は、事前準備に余念がなかった。「観光担当」「宿泊地担当」「食事担当」など、山以外も最大限に楽しむべく大人数を武器に手分けしてくまなく調べられているのである。天気は晴れの予報。わくわくは最高潮だ。
竹芝を出発
ネオンの中にいたのでは、こんなにきれいな中に身を沈めていることに気づかない。しかし、ネオンから10分離れて海の上から眺めると、客観的に眺められる。自分を客観的に見つめられたらなぁ、、、
などと、出航したとたんセンチに浸ってしまった。
船尾で記念撮影
みんなで船尾に集まった。なんとも青春ではないか。一人旅が大好きなことに変わりはないが、大人数で行くのもまた良いなと思った。
おやすみ。
自分は、先輩と食堂で酒を飲んだり、タメと東京湾をでるころまでだべったりと、だいぶ夜遅くまで起きていた。
11/24(金)
<フェリー>神津島[天上山登山]神津島(泊)
突然、船内が騒がしくなった。大島着港である。みんな起きた。甲板に向かう。
伊豆大島に着岸
伊豆大島は岡田港についた。これはメインポートである元町港に波のため入港できないからである。つまり、この先シケているようだ。
しかし、これは我々には好都合。シケているとき、神津島はメインの神津島港ではなく三浦港に着く。するとキャンプ場に近く、荷物を置いて登山できるのだ。ラッキーなどと思い、日の出を見ながら大島から離岸する。
大島から離れる
小腹が減ったのでカップ麺を購入。
そこそこ冷たい朝の潮風に吹かれながら吸い込むカップ麺はめちゃくちゃうまかった。
カップ麺は200円。
このC.L.(右)何をしているのだろう
朝日は大島の反対側から登ってくる。遥かな海の先にみんな何を見ているのだろう。
みんな同じ姿と言いたかったのに、空気を読まない黒い後輩がいる。
大島のすぐ西
大島を離れると波が高くなる。ジャンプすると元の位置には帰れない。
風も強くなる。なるほど、これは着岸できないなという感じである。次の利島には着眼できるかわからないらしい。1日1便しかないフェリーがこなけりゃ困るだろうに、などと思いながら放送を聞く。
風がすさまじい
面白がって跳ねる黒い後輩
甲板に立っているのもやっとになってきたので、船室に戻り仮眠をとる。
利島に無事着岸できたのを見守ってうとうとしていたら、神津島のすぐ近くまで来ていた。
天上山
三浦港にフェリーが入ると底の砂を巻き上げて海の中に雲ができているようになる。真っ青な海に緑っぽい部分ができてなんだか面白い。そして、その正面にはまっしろと真みどりで構成されたような天上山が広がる。結構な迫力がある。神津島から出るときは、神津島港だったが、三浦港のほうが眺めはよいなと思った。
キャンプ場に荷物を置いて、天上山に登る。
樹林帯を抜ける
1時間弱くらい樹林を登るとぱっと景色が開ける。
昼間なのに暗い
再び潜る森は、背丈より少し高いくらいだが、高密度なので結構暗い。道は大変良く整備されているので、歩きにくいという感じはしない。
裏砂漠
しばらく歩くと、天上山の裏砂漠に出る。有名な大島の裏砂漠は真っ黒だが、こちらは真っ白。火山の粘り気が違うからかななどと考察してみる。
しかし、11月とは思えない雰囲気である。適度に暖かく、気持ちよい海風を浴びながらのハイキング。「最高」以外の言葉が見当たらない。
ここは、日本なのか?東京都なのか?
くぼ地のようになっている
砂漠出口に転がっていた岩に立つ
砂漠ということもあって、砂のつぶは細かいが砂浜とも雰囲気が違う。
なんだかとても面白い、形容のし難い場所である。山のてっぺんがこんな風になっているなんて、なかなか珍しいのではないか。山頂池塘好きの私からすると、山頂砂漠というのはある種真逆で大変楽しい。
裏砂漠を抜ける
くぼ地から抜けるとぱぁっと海が見える。素晴らしい展望台になっていて、三宅島をはじめ周囲の島々が見渡せる。
思い思いに眺める
左の後輩は秋入部でこれが初山行
猫背のC.L.が頑張って背筋を伸ばしている。遠く大島が見える
しばし、休憩をして山頂に向かう。途中枯れた池があった。普段は水があり、ハート型に見えるとか。昔からの信仰の対象で、今では観光客も集めている。
コケしかない。しかしこれもよい。
山頂までは、あと少し。平らな山のてっぺんでこんなに楽しめるとは思ってもいなかった。
ラブアンドピースを体現する三年
それにしてもよく整備されている。それもそのはず、島の学校も整備を手伝っているのだから。島の貴重な財産をみんなで守っているのだろう。
再び樹林帯に潜る
来た道を戻り、島の中心部へ。
アニメイトだってある
今晩のBBQの食材を調達し、バスにのりこんで出発地の三浦港へ。
17時前にキャンプ場について、入浴を交代で済ませたころには、晩御飯の準備が整っていた。
ご飯を炊く
魚介類も並ぶ
食器類も借りているので荷物はほとんどなくてらくちんである。
普通のお肉のほか、島の魚も焼いてBBQをする。本当においしい。キャンプ場の人がくれたビールもよく進んだ。
キャンプ場の既設テントは快適で少々夜更かしをしてしまった。
たのしい夜である
11/25(土)
神津島<フェリー>伊豆大島(泊)
ねむた眼をこすりながら、7:00には起床。朝は、パンにいろいろ挟んでいただいた。
今朝のフェリーは神津島港から出るので歩いて向かう。
結局歩くのが好きなのだ
観光担当の調べによって、空港のほうを回っていくことにした。
少々早く着いたので砂浜で遊ぶ。
大変元気である
これは何をしているのだろうか
まさにおしゃれボーイである。
こんなことをしていたら、出航ギリギリになってしまった。
走って船に乗り込む。
少々仮眠をとって食堂でお昼ごはんにする。明日葉カレーなど伊豆大島の名産が並んでいた。
明日葉カレー
大島についてからは、レンタカー移動。
「火山博物館」隊と「民族博物館」隊の二手に分かれてそれぞれ観光。
火山博物館に行った私は、そのあと面白い切通に立ち寄った。
よく道をつくったものだ
しっかり調べつくしたからこそ、見つけたのだろうと感心してしまった。
ほどなくしてキャンプ場につく。
いわゆるキャンパー向けのテントを作るのは初めて。少し手惑いながらもなんとか完成。屋根の高さに驚いた。

今晩の晩飯は、黒い後輩が調べてくれた、波浮港にある港鮨。
港のすぐ脇にある
ここの鮨はべらぼうにうまかった。自分は島の握りのようなものを頼んだが、普段は食べないようなネタをたくさんいただいた。ほかの人はべっこう寿司というものも食べていた。刺身がきらきらと光っていてこれも大変おいしそうであった。
きらきら光るべっこう寿司
おなかよりも心が満腹である。
昨日の寝不足と満足感からか、とてもよく眠れた。
11/26(日)
伊豆大島[三原山登山]<フェリー>伊東<電車>つくば
朝、まだ日が昇る前に行動を開始する。
裏砂漠から日の出を見るためだ。
裏砂漠までの道はあまりよくないので、暗い中では少し怖かった。
早く着きすぎたので、うまいこと時間を調整して裏砂漠へ突入した。
先輩を掌上で踊らせる後輩
いろいろな形の石(?)が落ちている
かっこいい!
しばらくすると、日が昇ってきて、すべてをオレンジに染めていった。
飽和するほどのオレンジ
朝日に敬礼
染められたのは、もちろん人だけではない。

世界もオレンジに染め上げていた、、、。

ワンゲラーという感じがする。
裏砂漠、黒い平原というイメージが一般的かもしれないが、僕はこのオレンジが忘れなれない。
そのあと、地形切断面を経由して三原山登山口に向かう。
バームクーヘンかなぁ?
三原山はおとといの天上山と全然雰囲気が異なり、真っ黒で深い深い火口からは煙がもくもくとで続けている。
もくもく
天上山が天国ならこちらは地獄だろう。
その対比がなんとも面白かった。
下山後は岡田港のそばでべっこう丼orシラス丼を食べ、しばし観光をする。
お気に入りが見つかったのだろうか
帰りの船は、高速船だ。ボーイング社製で、1時間くらいで対岸の伊東までつく。
ばいばい

伊東からは電車でつくばへ。

本当にみんなのおかげで楽しい山行になった。
今年は磐梯山といい、この伊豆大島といい、観光+山行という形が大成功したように思う。去年も白山+白川郷というのが成功していたようだし、新しいワンダリングの形として確立できてきているように感じる。