2018年9月26日水曜日

2018/8/8-8/10 尾瀬・燧ヶ岳


【山行名】はるかな尾瀬→オレンジザック・停滞山行
【期間】 2018/8/7-8/10 (前夜発+2泊3日)
【目的】 夏の尾瀬で湿原と高山植物を堪能しよう
【メンバー】 中嶋(C.L./2年) 才川(S.L./2年) 木村(3年) 鈴木た(3年)

今回の山行は本来の目的を見失い、ただただ2年女子が山に行きたいという気持ちだけで強行されたものでした。この場を借りて、付いて来てくれた3年の先輩方に感謝の気持ちを伝えたいと思います。ありがとうございました。

もしかすると中嶋が雨女なのか、才川の強運(?)なのか、台風13号が2泊3日の中日に激突する予報という波乱から開幕したこの山行。2日目は行動できないだろうということは分かりきっていたが、テントでの停滞を楽しみに尾瀬に向かいました。

今回はみんなオレンジザックだったんです
車中泊をして朝4時に大清水駐車場を出発。尾瀬沼までは青空が見えていて、案外今日燧ヶ岳登れちゃうんじゃない…?と思いながら1日目の幕営地に到着。しかしこの後すぐ雨が降り始め、朝7時に停滞が決定しました。

雨で気温が下がったこともあり、才川・中嶋が持参したプリンの材料でテントの中でプリンを作ることに成功!テント設営が終わり、みんなでたっぷり昼寝してからの、寝起きプリンは最高でした。。。

プリン!!!カラメル付き
この後の記憶があまりないのですが…メンバーの色々な話が聞けて楽しかったような…テントの中で木村さんの外付けレーション(笑)を消費したような…

なんと!尾瀬では山小屋でお風呂に入れるので、女子に優しい山域ですね。この日のテント泊は私たちだけだったにも関わらず、山小屋の方が早めにお風呂を沸かしてくれました。
夜は夏の星空観察会@尾瀬沼ビジターセンター(なぜか雨天決行)に参加させてもらい、夏の大三角形だけ覚えました。これが3日目の朝で生かされるんです。


 
2日目(終日雨)は朝7時起きで、ラーメンをなんとかお腹の中に入れました。このあとは朝からダラダラとした時間を過ごし、ここでは特に鈴木さんの人生経験の豊富さが停滞中の話題に大きく貢献してくれました。この日の話は一生忘れません!!

これC.L.ポーズ
イミガワカラナイ

少し晴れたので、尾瀬沼を散歩。木村さんと鈴木さんの仲の良さを垣間見。曇ってはいても、やっぱり開けた湿原と植物たちはなんとも言えない魅力を持っていますね。

そんなこんなで停滞を終えて、翌日の1時起き2時発に備えて眠りに着きました。停滞中の思い出といえば、プリン・ゼリー作り、キムチ鍋・赤ワインビーフシチュー、ですね…。



3日目は朝(夜?)2時に出発すると、台風が過ぎ去った後の夜空に天の川と夏の大三角形、流れ星も見れました。これで夏休み思い残すことはない!!個人的には尾瀬の夜空が一番の楽しみだったので、燧ヶ岳登る前に満足感で満たされていました。

燧ヶ岳山頂にて
深夜の登山道で真っ暗な中、木村さんと鈴木さんが怖い話を始めた時は、一番後ろを歩く自分は(後ろが怖くて)少しイラついてました。登りはまだ良かったとして、下りが問題でしたね。登山靴がチョココーティングされた。。

3年二人のしりとりに救われた下山
精神的疲労からか、尾瀬ヶ原に出た時の感動はすごかったです。

尾瀬ヶ原〜

まみちゃんの写真技術いい感じ

バエル

前に見えるは至仏山

やっぱりどこでも寝るんですね…!

停滞も長く、至仏山も登れず、消化不良な山行になってしまいましたが楽しい思い出がいっぱいです。

さて、メンバーの欄に中嶋(2年)と書いてしまいましたが、実は秋入学の身としてはまだ1年生で、ワンゲルに入ったのも去年の10月からなのでまだ1年経っていません。先日、平成最後の秋入学の合格発表がありましたが、今年は4人でしたね(生物学類の後輩は無し)。去年の今頃の自分はワンゲルのブログをチェックして、大学生活に夢を抱きながらひたすら寝る夏休みを過ごしましたが、もし、このブログを見ている秋入学生、または秋学期から入部したいと思っている方がいましたら、秋からも入部・見学お待ちしております!





2018年9月14日金曜日

2018.8.26 【仙ノ倉山】


山: 仙ノ倉山
山域: 谷川連峰
メンバー:
4年 ウラキ、セキ
2年 サイカワ(C.L.)、イグチ(S.L.)、エンドウ、スズキ、ナカジマ
1年 サイトウ、ワタナベ
日程: 2018.8.26

今一度、本文に入る前に今回だれがメンバーなのか、よくよく確認してほしい。なあなあで見るのではなく、しっかりと見てほしい。特にC.L.を見てほしい。初めての人がC.L.をやっているかもしれないと思った人がいるかもしれない。そして、その人がブログを書いているかと思ったかもしれない。ざんねーーん。今回は4年、前主将、セキがブログを書きまーす↑↑↑✌

ちなみにC.L.のサイカワは麗しき女子大学生であり、今まで3回ほどC.L.をやっている積極的で将来有望な2年だ。しかし、その3回とも雨に恵まれて山行中止になるという、生粋の雨女でもある。今回、初めて成し遂げたC.L.の山行のブログで、そんな将来有望な雨女ではなくモブ大生のセキが代筆するのは著しい公共財の損失に他ならないが、そこは強き精神を保って怒りをもちこたえてほしい。生粋の晴れ男という立場で協力をしたはずだ。詳しくは後で書く。

今現在、自分は3年間過ごした愛しの一ノ矢学生宿舎に今生の別れを告げ、長野県上田市菅平高原筑波大学山岳科学センター菅平高原実験所が近くにある実家に引っ越し、卒業研究生活を送っている。つくばから高速を使って深夜で3時間弱かかる場所にある。そのため、長野県上田市菅平高原筑波大学山岳科学センター菅平高原実験所に移ってからはサークル活動に参加できていないのだ。つくば生活はバイトとサークルを中心にまわっていたようなものなので、両方が取り上げられて両手が空いてしまったような気持ち。毎週月曜日の7時ほどになると、「あ〜、今つくばではリーダー会が開催されているのか〜、がんばれ〜」と思いながらおいしい実家のご飯をもぐもぐ食べ、10時ほどになると、「あ〜、今つくばではリーダー会で侃々諤々の議論がかわされているのか〜、もっとがんばれ〜」と思いながら温かいお風呂にぬくぬくと浸かり、12時ほどになると「あ〜、今つくばではリーダー会でそろそろメンバーがイラつき始める時刻か〜、妥協すんな〜」と思いながら月曜から夜ふかしをワクワク見るという、謎の「つくばを想うルーチン」ができてしまった。リーダー会の精神は長野でも生きていると伝えたい。

さて、そんなセキだが、長野県上田市菅平高原筑波大学山岳科学センター菅平高原実験所に移ってからはあまり山に登れていない。四阿山根子岳には登るのだが他の山はあまり登っていない。一緒に登る人がいない。自称晴れ男パワーは今年に入ってもムキムキと絶賛維持中であるのだが、如何せん生かす場所がない。そんな中、今回のC.L.サイカワから「山に登りませんか?」と連絡が来た。後輩女子に誘われたら先輩がんばっちゃうぞ〜〜〜。
そして、「ブログ書いてもらえませんか?」とも連絡が来た。それでブログを書くことになった。研究が進まずストレス発散に書いているので長文になるだろう。駄文失礼する。

今回のメインの仙ノ倉山だが、日本に200角ある日本200名山の一角である。それほど有名な山だとは思わなかったが、結構賑わうらしい。今回の登山口は仙ノ倉山のお隣さんの平標山の登山口からである。このエリアは谷川岳の西側に位置しており、雪国・湯沢町と群馬の国境に位置する。登山口の駐車場は広く、近くに大きな道路が走っているため比較的安心。バスも通っているらしい。危険箇所と言えるような危険箇所はなく、道は整備されて歩きやすかった。ただ谷川連峰ということで天候の急変だけが心配である。

8月26日、自分は実家のある長野から一人で車で登山口に向かう。他のメンバーはつくばからレンタカーで来た。自分は4時過ぎほどに出発、6時半ほどに湯沢方面から平標山登山口に到着。朝の郊外の道は空いており、幅広い土地を十分に活用した幅広い道が続いていた。その結果、高速道路みたいなスピードで運転できた。そのためカーナビの到着予想時刻より1時間はやく到着した。朝早く出て非常に眠かったため束の間の睡眠。とても静かでのどかな駐車場だった。扉をあけて小鳥の囀りをBGMに健やかに寝た。30分だけでも寝ると眠気がだいぶ消える。

8時ほどにつくば勢が到着した。
サークルメンバーと感動の再開を果たした。最初、目が合ったのはイグチだった。なんかニヤニヤしていたから何ニヤニヤしてんだよと思った。そして、サイカワエンドウを擁する車が到着した。駐車場が一気にうるさくなった。この環境だったら健やかな仮眠を取ることはできない。
「晴れてよかったねー」という言葉がサイカワを中心に飛び交う。そう、この日は台風20号が通り過ぎた直後だったのだ。3度目ならず4度目のC.L.も雨中止になったらサイカワに雨女以上の称号が必要にあんる。実家を出発して空が白み始めたとき、空には眠気を催すお布団のような雲が横たわっていた。現地雨中止代えて温泉旅行を予想した。しかし、8時過ぎは雲が見えながらも日光を浴びるといった具合の天気だった。実際、天気予報は雨だったし、天気が変わりやすい谷川で雨が一滴も降らなかったのは不思議である。晴れ女ウラキ、晴れ男セキのヒューマンパワーをもってして雨女の力を抑えたという説が有力であるが、サークルメンバーの他の強大な雨男が台湾山行に行ったおかげ(?)で雨雲がギューンとそっちに引っ張られたという説もある。晴れ男晴れ女が近づいて雨男がどっかいったからというイメージかな。ともあれ、晴れの中で支度は笑顔に溢れてた。初見の1年生に自己紹介をした。

エンドウ、スズキ、ナカジマにも久しぶり〜〜☆と会話をしたけど内容は覚えていない。光景だけ覚えている。準備途中、イグチが誰にも伝わらないモノマネをぐぐんとする。どんなんだか覚えていないけど、「自動販売機の前で痰を切るおじさんのマネ」だった気がする。くだらなすぎて笑った。ウラキからリーダー会について聞いた。やぱり大変そうで、みんな頑張れと心から思ったほんとにほんとマジほんと。

8時半ほどに出発。イグチ、スズキ、ナカジマ、ウラキ、ワタナベ、サイトウ、セキ、エンドウ、サイカワと並んだ。前後関係から、エンドウや1年二人、サイカワとよく喋った。今年の長期の様子を聞いたら、「楽しかった」と帰ってきた。晴れ長期だったらしい。僕らが下界で暑い暑いとうめいた頃、避暑を楽しんでいたとは羨ましい限りである。
平標山までの登りは樹林帯の中だった。前日雨が降ったのもありむしむしどころかむしむしむしむしむしむしむしむしむしむしていた。最初は汗の筋が顔をなぞっていくのを感じる程度だったが、途中から筋が集まり湿地みたいになってしまった。供給過多である。とにかく、気持ちの悪い登りだった。
湿気は写真じゃ伝わらない
国境の長い樹林帯を抜けると草原であった。空の頂きが白くなった。鉄塔に一行が止まった。しばし休憩。エンドウのゼリーがおいしかった。ありがとう。風を感じた気がする。

ワタナベ作
ひきりなしに鉄塔がかっこいいと言っていた。それを見てなんとなく怪盗二十面相を思い出した。
忌まわしき樹林帯からぬけた後は、閉塞感を吹き飛ばす風とともに歩む尾根歩きだった。最初こそは解放感ではしゃいでいたあ、単調な登りでそのうち口数も少なくなる。たまにC.L.から声掛けがあり、S.L.が反応し、いくつかのパーティーを抜かした。休憩中、前期高齢者くらいの方から「若いね〜〜、高校生?」と声をかけられた。自分、關岳陽、今年の8月9日をもって22歳になった。世間一般ではまだ若い部類にはいるのだろうが、世間一般では若くはない部類が近づく音が最近聞こえ始めて恐れている。今回自分以外のメンバーがいるからというのが大きいだろうがこういうの聞くと嬉しくなる。虚しくも気分が高揚した。イグチが「顧問に見られたんじゃないですか?」とメント。耳に痛い。彼いわく、顧問がいたからより高校生パーティーに見えたのではないかということだ。もっともだと納得したくないがもっともかもしれない。22歳はおじさんと呼ばれるにはまだ早い。若作り、全力で励みます。

高校生かと間違われた休憩のシーン
右端のウラキに「あご紐ってどこにかけるか知ってる?」と聞きたくなる1枚
ワタナベと背景としてエンドウ。
レーションでカロリーメイトを食べている人見ると謎にプロ意識を感じるのは自分だけ?
そのまま稜線を歩いていると上の方にピークが見えてきた。ここが平標山かと思い、最後かと予想されるちょっと急な坂によしよしと取り掛かる。急と言っても整備されているし、そもそも急ではない。結果山頂ではなかったが、山頂はすぐそこだった。樹林帯に目を瞑ればハイキングコースとしては最高。ピューッと口笛を吹きながら登りたくなったけど、ヒュッとしか口笛ができなくて断念。
眼下の景色。個人的には電線が邪魔。
スキーゲレンデが大きい。スノボしたくなった。

なだらかでボクボクした緑に覆われてる山。
常におだやか。
そうしているうちに平標山の山頂に到着。仙ノ倉山頂で飲むと軽く決めていたコーラを開けてしまった。軽く決めてしまっていたことと自分の意志の弱さが原因。今後は頂上で開けるように心がけたい。しかし山ではいつにもましてジャンクフードを食べたくなるのはなぜだろうか?なんか海外行ったときに日本料理屋を探してしまうのと似ている。
みんな思い思いに荷物をさげる。写真撮影タイム。
今回の山行は女子が多い。研究班にとっては非現実的な光景。
個人的には後ろのイグチのポーズが好き。
エンドウくんこんにちはこんにゃくゼリーありがとう 
集合写真
後ろにコロポックルがいる
登山しているのは人だけじゃないらしい。山の下から白いもくもくが登ってきた。サイカワセンサーが目敏く感知し、「キリガデテキター」と警告を連呼していた。普段、山では絶望は白い色をしているが、長らく山に登っていなかった自分としては懐古の色だった。そして隊は出発。サイカワセンサーがまだ鳴っていると思ったら急にストップし「私■■さんよりうるさかったかな?」と心配そうに尋ねる。笑いながら応えるエンドウと1年、「いや、それほどじゃなかったよ」。ワンゲルの普段が垣間見えた。
しばらく歩き、ちょっと嫌な風が吹いてきたなと感じて先が不安になったが、雨は降らず、なんならそのうち霧も晴れた。読みが外れすぎて笑う。Don't you come back, no more, no more, no more

平標山から仙ノ倉山まではゆる〜〜いアップダウン。道は木道でかなり整備されていて歩きやすかった。だけど、雨が降るとかなり滑るかもといった具合。帰りは霧が晴れたのだが、景色はすごい楽しめた。高山とも違うし、そこらの低山でもない。笹原ならではの景色だった。高山植物は少なめ?多いわけではなさそう。ネット情報によるとハイシーズンは6月から7月とのことだった。梅雨と相談してまた見にきたい。

笹原が優占。
笹原を遠くから見ると苔の絨毯みたいに見える(左下)


苦なく仙ノ倉山頂に到着。今回の目的の山。霧が晴れかけていた。「半分、青い」って具合。ここでイグチがおもむろにリュックを開けた。山でジャンクフードを食べたくなる現象はイグチにも共通らしい。日帰りにしてはでかすぎるリュックからドドンと出てきたのはオレンジジュースとりんごジュース。気の利くことに1.5 Lサイズで紙コップも持ってきてくれた。糖分が摂取できた。おいしかった。ありがたし。
イグチがサイトウに対して雑なボケをかまし、サイトウが軽くあしらう。見ていておもしろい。
ジュース!!
サイトウくんのスポーツサングラスがかっこいい。ちなみに肩の「雷走」は「らいそう」と読むらしい。
だれかが「サンダーラン」と読んだとのこと。文化の融合である。
静かに佇む標識
下りも整備された道だった。階段状の場所で不意に浮石を踏み転ぶ。久々。仙ノ倉山から平標山ノ家まで一気にくだる。そこで休憩。平標山ノ家は立派できれいな山小屋だった。水が水道から源泉かけ流しで、冷たくて美味しい。数々の山小屋の水場が源泉"垂れ"流しスタイルであるのにたいし、源泉"かけ"流しスタイルだと水が一層美味しく感じる。休憩スペースも広々としていて居心地が良い場所だった。
急な話だが、結構前から自分は1日1善を趣味としている。自分の中で徳ポイントというものをためており、なにかに還元される(気がする)という具合だ。みんなにも是非やってほしい。僕は徳をためまくったおかげで、この前のお盆にガレージセールでほぼ新品のコロンビアのジャケット2 万超のを2000 円で、中古のゴアテックスのズボンを1000 円でゲットできた。今回の山行中、この趣味と自慢をメンバーにも広めた。そしたら、早速この山小屋にて徳を貯める機会が訪れたみたいだった。自分が小屋にピンバッジを買いに行ったら、サイカワがおばさんに捕まっていた。よくよく聞こうとすると、よくよく聞かなくても話かけてくるお話好きのおばさんみたいで、頼みごとをしていた。小屋に財布を忘れた人がいて、免許証とかも入っているから届けてほしいとのことだった。その会話だけで10分以上かかった気がする。これはつまりおばさんの話がぐるぐる輪廻転生していたからだが、やはり大切なものをお客さんが落としてしまったと心配だったのだろう。話が1周するたびに心配が上塗りされてるようだった。サイカワが大役をひきうける。結構長い時間休憩したねと話しながら小屋を出ると、心配無用だった。エンドウがトイレと孤独な対峙を強いられている途中だった。下山途中に体調を崩したらしい。それを、イグチが見て、休憩。イグチのファインプレー。セキは気が付かず。反省。小屋から出た後はタラタラとお話をしたり、それを見たりしていた。スズキとナカジマのやり取りをみて、改めて仲がええなと。終始のどやかだったこの山行の中で一番のどやかだった瞬間。そんななか、小屋の話好きのおばちゃんが来た。「はよ財布を届けろ」と一喝されるかとびびったが、サイカワにたいして財布を届けてくれるお礼ねと山小屋の手ぬぐい ( 1000 円 ) をプレゼントしてた。サイカワ狂喜。徳ポイントが還元された瞬間だった。1日1善を広めたことに徳紹介ポイントがつくのだろうかと少し思案した。

水がすぐ飲めるのが嬉しい
トンボを止めて嬉しそうなスズキ。
ワタナベは手に止めていた。
トイレから出てきたエンドウの表情は晴れ晴れとしていた。文字通り憑き物を落としたといった具合。ここからは怒号の下山。気がついたら林道に出ていた。いつもそうなのだが、林道に出ると気持ちが緩む。アスファルトでも林道でも関係なく、安心感を覚えてしまう。これは僕以外にも共通するのではなかろうか。そのまま隊列は列から団子状になってダラダラと歩き始めた。C.L.は一番後ろ、S.L.は一番前という体制は保ったまま。電線を見つけて、地形図タイムかとも思ったが、時間的余裕の観点からそのまま歩みをすすめた。途中、サイトウが一気にぐっと走りだす。元陸上の血がうずいたのならばしょうがないが、走る方向が正反対だった。走る前に、「サングラスを落としました」と言って走り出した。あのかっこいいスポーツサングラスを落としたらしい。山でものを落とすことはよくある。僕も今年八ヶ岳で「Mountain Hard Wear」のお気に入りの帽子を落としてなくなってしまった。それに付随していた思い出のピンバッジもなくなった。山での思い出が詰まったものを山においてきてしまった。
ここで問題だったのは、「どこまで探すのかを決めてなかった」と「一人でいかせてしまった」ということだ。林道内を見て彼は戻ってきたのだが、待っている間こっちは心配になった。反省点。16時になって戻らなかったらこっちから行こうと言って、待った。そして追いにいったら戻ってくるサイトウくんとすぐにあった。サングラスは残念ながら見つからなかったらしい。諦めの判断をスパッとしたのは重要。
サイトウくんを追うイグチとイグチ
その後も反省を交えつつおしゃべりしながら歩いた。イグチのモノマネシリーズ、誇張しすぎたニイボリver. が最高におもしろい。ニイボリをはじめとして、ワンゲルの各メンバーはイグチにお願いしてみて!
途中、登山口駐車場と書かれた看板と出会う。地形図を見てベターな選択をメンバーがして歩く。そんなこんなで駐車場についた。イベントがあったからというのもあるだろうけど、最後の林道歩き結構長く感じた。
そこで、ちょっと賑わう駐車場。そう、あの財布の主が待っていたのだ。感謝のマシンガンを食らう。ハプニングが起きて下りに時間がかかったのが申し訳ない。財布の主は受け取った財布からお金を渡そうとする。財布を落としたとき、その1割を渡すことがマナーとのこと。受け取りを拒否するサイカワではあったが結局根負けしていただく。レンタカーの延滞料金に当てたのかな(レンタカーの返却予定が同日8時だった)。財布には1万円以上は入れないようにしようと決めた。
ここで自分がカメラを撮りだす。全天カメラだ。研究で使っているのを持ってきた。なぜ山頂ではなく下山後に撮るのかというと、リュックに入れてなかったからだ。至極簡単な理由。だが是非こういう写真を撮ってみたかった。

フラッシュの使い方がわからなかったため暗い
全体的に右上がり

みんな仲良く豚足

駐車場にて、レンタカーはもうどう頑張っても間に合わないという安心感から一行はゆるやかに休む。今日前半樹林帯でかいた汗が嫌にべとついていた。土埃もそこについてだいぶ不快。そこで誰かさんの香りがするというボディーシートをもらい、体を拭く。ボディーシートが灰茶色になる。そして、誰かさんの香りを身にまとうセキが誕生した。昔見た、女子高校生と小汚いおっさんが入れ替わるコメディ映画を思い出した。

エンドウの熱烈な希望により猿ヶ京温泉のなんとか温泉に行くことになった。ひとりで車で来た自分を気遣って2年生が1年生を僕の(親の)車に派遣してきた。かわいそうな1年二人は先輩のお話の相手をしながら30分弱ほど我慢していた。
なんとか温泉の広い駐車場につき、みんな集合したらまた事件が勃発していた。ワタナベが登山口駐車場に落とし物をしたということだ。車の屋根に本をおいて、そのまま回収し忘れたらしい。エンドウが一緒にとりに行くということだ。自分だったら諦めろと言ってしまう。エンドウは優しい。聖母マリアも顔をしかめるかもしれないのに、二つ返事で行ってしまうのはやはり優しさの塊であるのであろう。後輩に優しくはあっても、甘くはならないようにと忠告しながら (←これ超重要) 見送り温泉に入った。
温泉の入り口でスタッフの早口な説明を聞いて、そのまま脱衣所に行った。終始のんびりな山行だったので急に早いリズムがやってくるとびっくりしてしまう。なんとか温泉の温泉はよかった。浴槽がいくつかあり、外湯も景色がよく、サウナもあった。どっぷりとお喋りしながら浸かった。このなんとか温泉おすすめする。
温泉から出て、お土産を振る舞って、ジュースを飲んだ。そうこうしていたら今日抜かしたパーティーの方に会った。こんにちはさようならと一期一会の精神で丁寧に挨拶した。そしてのんびりと第一次夕飯決定談義が行われる。談義は粛々と行われ、地域の名物、時間、現在地などの多角的な視点、意見を尊重した結果このなんとか温泉の食堂でとることとなった。ラストオーダー20分前ほどに入り、テイクオーダー。丼を頼んだ。デミグラス丼とかマツコ・デラックスっぽい名前の丼を頼んだが、普通に定食にすればよかったと後悔した。そして本日の反省会が開かれた。水が足りない、スポーツサングラス失踪の処理、などと意見が出たが、終始良い雰囲気の山行だったため良い反省が多かった。温泉に入り、ご飯を食べ、のんびりしているところにしとしとと眠気がやってくる。このまま身を任せて寝ようかとしたが、身を任せて寝るわけにはいかなかった。現実がやってくる。
車である。もうすでに9時近くであり、つくば着は12時超が予想された。自分も実家につく時間は日付付近になりそうだ。互いに励まし合いながら別れを告げてつくば勢と自分は別れた。
自分はそのまま郊外と山道ヲ匠ニ運転シ、長野ヘ還リシ。

【感想】
今回の山行はとてもいい山行だったなと感じます。
2年生を見ていて、改めて仲がいいなとも思ったし、またきめ細かくパーティー全体を見ていて成長したなとも思います。今回はC.L.のサイカワとS.L.のイグチが中心になって指揮をとっていました。即座の判断でのミスなどはありましたが、どちらも主将になってもやっていけると感じるくらいしっかりしてました。僕らが完全についていく側になりました。久々に会うメンバーが多く、サークルの様子を聞けたり、同期と話せたり、1年生とも話せたりとすごく充実していました。今回はお誘い本当にありがとう。

剱岳定着合宿(2018/8/8~8/14:源次郎尾根、八ツ峰、チンネ)


剱岳定着合宿(2018/8/8~8/14:源次郎尾根、八ツ峰、チンネ)
メンバー 3年 毛利(文責、C.L.) , 新堀 4年 とべさん

 本当は9月中に更新したかったですが、なんだかんだあって10月になってしまいました。と思ったら11月ですね。(笑)去年から登りたいと思っていた剱岳のクライミングルート、雨も降られましたが結果として、源次郎尾根Ⅰ峰平蔵谷側上部フェース成城大ルート、八ツ峰Aフェース魚津高ルート、Cフェース剣稜会ルート、チンネ左稜線を登ることができました。

以下、記録。

1日目 室堂から剱沢まで
2日目 成城大ルート登攀
3日目 剱沢から熊の岩へ 八ツ峰にて登攀
4日目 八ツ峰にて登攀
5日目 チンネにて登攀
6日目 熊の岩から室堂へ

1日目 室堂(9:30)~剱沢(12:30)
 この時ちょうど関東に台風が接近していたので、その影響を心配していたが、杞憂だった。後輩のO君はその台風を懸念して山行を中止したがなんとも残念だ。しかし、そのおかげで晴れたのかもしれない。(雨男で有名な同期のO君が来なかったため。)なんともありがたい話だ。僕はこの時、心の中でお礼を言った。
気持ちの良い快晴
高山病を心配して40分くらいしてから出発。3年連続の剱だが、雷鳥坂の登りは今年が一番楽だった。自分の成長をしみじみと感じ、少し自分を褒めてやりたい。他のメンバーも同じことを言っていて、よくも悪くもみなさん強くなったなと思う。ちなみに戸邊さん曰く33キロくらいあったとか言っていたような記憶。

剱岳が見えた所から曇ってきた
テンバに到着すると、大学山岳部の方々がたくさんいた。というか、ほとんどそれ。みなさん雪訓をしているらしい。なんとも先輩方が厳しそうであった。某大学は小屋のおっちゃんにさんざん明日は天気が悪くなるよと釘を刺されていた。僕らのことは気にも留めず残念である。テンバの受付を済ませ、警備隊の方に雪渓の様子を聞く。長次郎谷右俣の上部の雪渓の状態が悪いらしい。そういえば、室堂であった新堀君の知り合いは雪渓の状態を懸念して剱山頂~北方稜線~チンネのルートを完遂したらしい。18時間行動?て言ってたかな。よくやりますはと思った。
そんなこんなで、明日とその先の行動が思いやられた。不安をかかえたまま就寝。

2日目 剱沢(3:00)雪渓着(3:30)取り付き(7:30)登攀終了(10:30)I峰頂上(11:15)剱岳山頂(13:30)剱沢(17:00)

とりあえず、雨も降っておらず風も強くなかったので出発。少し剱沢を下り雪渓へ、アイゼン装着。この時薄々感じてはいたがピッケルはいらないことを確信する。皆さんごめん。日が上がる前に源次郎尾根取り付き付近に到着。あいにく迷う。台風の影響による天気への確信が持てず、踏み切れなかった感はある。
アプローチ途中にて
最初から迷うとは思っていたが盛大に迷った。途中まで踏み跡をたどっていたがルンゼを進む途中でどうやら踏み跡を外したらしい。ルンゼを登り切った後踏み跡に合流し安堵する。その後ハイマツ帯をトラバースして、またルンゼを登り取り付きへ。時間が思った以上にかかったためとべさんにリードをお願いする。3ピッチ目まではⅢ級ということもありザイル無しで抜ける。思ったより岩が風化していてポロポロ崩れるのが気になった。期待し過ぎた感が否めない。核心もなんなくこなしトップアウト。最期はハイマツ帯に突っ込んだ。
確かに花崗岩は白くきれいだった
そのまま源次郎尾根縦走ルートと合流し剱岳山頂へ。後で思ったが個人的には別山尾根よりも歩きやすいと思った。
気持ちのいい快晴源次郎尾根の途中の小ピークにて

山頂にて記念撮影をし別山尾根から下山。帰り道はガスっていた。やはり早めの行動がベストですね。
結構山頂での集合写真は好きである
3日目 剱沢(7:00)熊の岩(10:30)魚津高ルート登攀(2時間)
昨日の疲れもあり遅めの出発。雪渓はすべてつながっており、思っていたよりもだいぶ早く着く。因みにテンバは一番乗り。また、自分たちの成長を感じてしまった。僕がいままで見た岩峰の中で八ツ峰は一番かっこよかった。最高のロケーションである。
八ツ峰を望む
午後に魚津高ルートに登る。新堀君リード。頂上からは踏み跡を頼りにクライムダウン。

4日目 けんりょうかいルート
朝から雨が降っていて今日は登れないかと思ったが、午後cフェースが乾いていたので登攀。自分リード。ひたすらスラブだった。テン場からアプローチが10分くらいなのが素晴らしいと思った。夕方になるとお盆の影響かテン場はほぼ満員となる。

5日目 熊の岩(4:15)三ノ窓(5:42)池ノ谷がり―懸垂開始(13:11)熊の岩(14:15)
右俣の雪渓の状態が不安だったが、とりあえず行ってみることに。結果的には全然問題なく通過できた。ツメ上がったところでテントが張ってあり驚いた。今回は吸い込まれるように踏み跡をたどり三ノ窓へ。そこから三ノ窓雪渓(氷河)をトラバースして取り付きへ。僕らが最後だった。周りはかなりガスっており、午後から天気が崩れるらしい。僕、新堀、戸邊さんの順でリード。各々問題なく消化。核心部の鼻は思ったより大きいなと思った。残念ながら眺望は0で、ガスの中をひたすら突き進んだ。やはり天気が良くないと山岳地帯でのクライミングは微妙である。
終始このガス具合
途中ガスっており、2人フォローだとやることもなく寒いと思った。が、ここで重大なことに気づいた。2月に行った古賀志の朝の方がよっぽど寒かったと、、、なので、剱にクライミングに行く方は一回冬の早朝に内陸部でクライミングをすることをお勧めします!!!リッジ沿いトラバース中に雨が降ってきた。フォローだったので、自分的にはいい思い出だった。チンネの頂上?に行くも眺望0で、速攻に下山。

懸垂箇所






6日目 室堂へ
朝から雨模様。というか、途中降られてメンタルをやられてた。長次郎谷の雪渓は所々崩れていた。雷鳥沢から温泉までがマジで遠かった。




総括
今年の夏最後の山岳地でのクライミングだったが、大変満足のいく山行でした。来年の夏が待ち遠しい限りである。





2018年9月12日水曜日

2018/8/26~28 台湾山行「はるかなる聖陵線」 part1 入山まで

~序章~
あなたは、台湾というと何をイメージするだろうか。
真っ先に山を思い浮かべる人はごくわずかだろう。
しかし、そこには、日本とは全く違った高山帯が広がっているのだ。
台湾登山のシンボルはなんと行っても最高峰「玉山(3952m)」だろう。しかし、ここは抽選に通らないと入山できないうえ”あまりにも俗化している”と思った。

そう、人の匂いがあまりしない登山をしたいのだ。
日本では、夏場ならもう沢くらいしか残っていないだろう。
しかし、台湾では一般登山道でもまだまだ残っているのだ。
特に今回目指した「聖陵線」は台湾の山岳の中でも距離が長く、難易度が高いので人影もまばらである。実際、「聖陵線」の真っ只中にある「覇南小屋」は我々のほか誰も予約していなかった(台湾では無人の山小屋からキャンプサイトまですべて予約制)。
「聖陵線」の魅力はなにか。1927年に聖陵線の起点、大覇尖山に登頂した沼井鉄太郎氏の言葉を借りたい。
”・・・この神聖なる稜線よ!
誰が本当に大覇尖山から雪山へ縦走をし、
勝利の栄冠を戴いて、
初めてこの美しい登山を完成できるのだろうか?"
※雪山:台湾第二の高峰3886m。
これが聖陵線と呼ばれる所以となった文章らしい(中国語と英語から気合で翻訳したので少しおかしなことになっているが、愛嬌で)。
ここについて調べれば調べるほど引き込まれ、ついに3人のメンバーとともにここに行く決意をした。
左が大覇尖山。この奥のほうが聖陵線

日程:2018/8/25~9/2(入山は8/26~8/30)
メンバー:新堀(C.L./文責)、木村(S.L.)、岡本
パート1では入山まで、パート2で入山中の情報を書き留めます。

~準備~

※2019年5月にも再挑戦を目指しており、その際判明したことを追記しておきます。(2019/4/6 新堀)

今年3月、下見を兼ねて台湾に飛んだ。
苗栗の山ん中に雪覇国家公園(このエリアを管轄する国立公園)のビジターセンターがある。ここで地形や生態系の特徴をしり、さらに本屋で聖陵線の写真集を買った。
僕は台湾の友人ずたいに、台湾の登山地図を手に入れていたが、台北の登山用品店(登山友が有名)などで販売している。
また、現地の知り合いは必須である。玉山ならば必要ないが、それ以外の場合は現地の留守人の設置が必要だ。また、積雪期などは現地人のガイドの同行を推奨している。
ちなみに、我々は、中国からの留学生で台湾に留学経験のあるカイルの友人の台湾人の方に現地コーディネーターとして協力していただいた(推奨)。
この辺は山域によっても変わってくることがあるので、よく調べてほしい。
また、現地の山岳会などに問い合わせてみてもいいのではないだろうか。
(1)山の情報を知る。
国家公園のHPによくまとめられている。しかも、日本語に対応している。
雪覇国家公園(雪山など)
太魯閣国家公園(南湖大山など)
玉山国家公園(玉山など)
さらに行きたい山域が決まったら個人ブログを読むと良い。
この際、googleなどでは、設定から日本語以外の言語でも検索できるようになっている。中国語(繁体字)に設定して検索すればバッチリである。
もし本がほしいなら、ネット経由で買うこともできる。この際日本人著者の本は基本翻訳本であるから注意が必要。

(2)登山用の地図を手に入れる。
行動時間の目安はここを参考にすれば良い。
その地名がどこにあるかわからなければググれば良い。
地形図はこちらのサイトからダウンロードできる。ダウンロード方法は休学中の記録というサイトに記載されている。
しかし、やはり登山地図はあったほうが便利だと思うあなたは、お買い求めを。ネット経由だと結構めんどくさいので、現地調達がよいと思う。
水場情報は、基本小屋になりますので、各国家公園のページや個人ブログで確認。また、危険地帯の情報は、やはり、個人ブログが参考になると思うが、直接国家公園に問い合わせるのも良い。英語にバッチリ対応している。
雪覇国家公園の地図:引用元
聖陵線の概念図:引用元

(3)申請する。
玉山国家公園の場合は、三ヶ月前、ほかは一ヶ月前から申請できる。小屋や幕営地の収容人数となった時点で締切終了(玉山は抽選)。
「登山最終日の○ヶ月前」となる(連泊の場合、1泊目の小屋は1ヶ月前ちょうどに申し込んだ人に比べ出遅れるわけだが、そのへんの不公平はないよに設定されている。)。
さて、これは完全にあちらのシステムの都合だと思うが、山行最終日の○ヶ月前の0:00(JST)になると、その日付で申請書をかけるようになる。
これが提出できるのは8:00(JST)となるので、予め書いておいて、朝イチで提出すればまず先着落ちすることはない。
玉山国家公園は日本語/英語/中国語(繁体字)、その他は、英語/中国語(繁体字)で申請可能である。
このページに「依規檢附登山經驗證明」と書いてあるものは、登山経験を示す物が必要。夏山であれば、日本のある程度以上の冬山経験とある程度の長期縦走経験を写真付きで示せれば大丈夫だと思う。僕は、「冬季/甲斐駒戸台ルート」「夏季/南アルプス縦走(自分の班のブログは未upなので他班のものを)」「クライミング/北岳バットレス」などを写真とルート図付きで丁寧に示した。
2019/4/6追記:登山経験の添付は不要になりました。
聖稜線は台湾夏山最高グレードのC+級ですが、国家公園に問い合わせたところ
On experimental stage,self-responsibility for risk. You still need grade C experience for holy ridge trail, however there is no need to submit your experience proves.
とのことでした。追記おわり

ここから、入山する国家公園を選び、空いているチェックボックスにチェックを入れて、「我同意」をクリックすれば、申請フォームに飛ぶ。文章は、よく読んで、リンクは必ず踏んで確認したほうが良い。
(a)行程
このような感じで必要事項を記入していく。
隊名:なんでもいい
登山路線:自由に行けるわけではない。いくつかの中から選ぶ。自由に行きたい場合は其他路線を選ぶ。
路線規劃:下のようなホップアップから地点を順番に選ぶ
完成今日路線:明日に進む、辺回・・:一個戻す、重新・・:全部消す
赤枠のところは何も書かない
登山經驗證明上傳:依規檢附登山經驗證明のルートでは必要。横のリンクをクリックして、作成した登山経験を示すものをアップロードする。「新増」から新しいファイルをアップロード。
(b)申請人
ここに書いてあるとおり。
電話番号に+81など入れずに普通に書くこと。
2019/4/6追記:国際番号(+81~~)で書きましょう。問い合わせたところ、
Phone number +81312345678   is fine.
とこのとでした。追記終わり。
(c)領隊
パーティーリーダーのこと。
申請人と同じならば、同申請人にチェックを入れるだけ。
違う場合は個人情報を記入のこと。
(d)隊
メンバーリスト。
チェックを入れ、ホップアップをyesにし、個人情報を書く。
(e)留守人
ここは現地の人の情報を入れること。
ここまで記入したら、驗證碼のところに右の数字を入れて「検査格式」をクリック。問題なければ、「儲存草稿」をクリック。今度呼び出すには左側の「草稿查詢」からできる。
時間になったら、「確認送出」で国家公園への申請は完了。

このあと、何日かして「國家公園申請入園通知」というタイトルのメールが来る(たいてい1通めは申請確認で2通目が申請完了)。
申請完了のメールの【申請進度查詢/入山資料傳送/許可證列印】の横のリンクから入園証をインストールし2部印刷する。
更に、入山証とあるボタンをクリックし、数日後、警察から入山申請が来るので、これも2部印刷し現地に持っていく。

保険について
我々は、クラブで日山協の山岳保険に入っているので、これの追加プランで海外登山があるのでそれを利用した。1万円弱。

便利なアプリについて
雪覇に行くなら、雪覇登山ARというアプリが便利。現在地の把握と安否情報のSMS(位置情報つき)送信ができる。SMSは台湾の番号向け限定のようだ。
また、これで電波が入るとある場所でもあまり入らない。
観霧周辺や九九山荘、主要なピークなどは入るように感じたので、こういうタイミングで、台湾の留守人にSMSを送ると良い。ちなみにアプリ上の電波情報はあまり当てにならない。

携帯について
wifi契約ではsmsが送れないので、simロックを解除して、現地でsimを借りるのが良い。
simフリーフォンでdocomo系を使っている場合、simがロックされている事があるようなので、大手キャリア以外でもsimロックを解除しておいたほうが良い。
simは中華電信が良いと思う。

遭難時の連絡
基本的には携帯。
無線機を持っていれば無線でもできる。この場合周波数は決まっていて、
145.00-國際SOS救難
148.74-中華民國山難互助協會
148.77-警政署
148.75-保安
となっているようだ。使ってないのでよくわからない。

パート2に続く

2018/7/21~22 北岳バットレス 第五尾根支尾根~第四尾根下部フランケ~Dガリー奥壁

薊畑の上にそびえるピラミッドフェース
【山行名】 ついにバットレスへ
【日程】 2018/7/21(土)~2018/7/22(月) (1泊2日)
【目的】 北岳バットレスでアルパインクライミングをする
【山域】 南ア北部
【使用地形図】鳳凰山、仙丈ヶ岳(1:25000)
【メンバー】C.L. 新堀(3年)、S.L.毛利(3年)、戸邉さん(4年)

北岳のバットレスはが日本各地にあるバットレスの中でもいちばん有名なのではないだろうか。
我々は今年の7月、大雨の後の酷暑に見舞われた土日にバットレスに登る計画を立てた。

一日目[7/21]
つくば<電車>甲府<バス>広河原=白根御池小屋
一日のうちに行けるのはここが限界だろう。15:00すぎに小屋に着き、偵察に出る。大樺沢の雪渓は情報通り殆どなかった。取り付きのポイントがてんでわからず2時間ほどかかった。雪が沢山あれば、もう少しわかりやすかったのかもしれない。C沢を過ぎたあたりから入るのだが、ずいぶん上に感じた。何度も行き過ぎた。
ベースに戻ると戸邉さんが美味しい夕食を作って待っていてくれた。

二日目[7/22]
朝4:00には出る。
大樺沢下部が先の大雨で通行不能のため、白根御池にデポ。
偵察しておいたので比較的スムーズに行くと思ったが、誤って大樺沢右俣に入り込んでしまい、少しタイムロス。
暗いときは迷いやすいが、暗いうちから出ないと間に合わない。
遅れて(先行パーティーが3つくらい)取り付きにつく。噂通り、Dガリー大滝は落石が集まりそう。ピラミッドフェース下部から第五尾根支尾根への1pはノーロープで行ける。
第五尾根支尾根1p
2pでロープを出す。終了点がなく60mロープをいっぱいに出し、Dガリー大滝の終了点へ。
上の横断バンドから石が降ってきった。
3pもロープは出さない。

第四尾根下部フランケは1pが核心だと思う。
スラブはホールドが細かく難しいが、決まれば面白い。
この前の週に錫杖に行っていたせいかそれに比べればだいぶ簡単に感じる。
1p終了点からスラブを登る毛利
この上は凹角が連続する。
フェース~凹角のラインを登る
Dガリー奥壁への道は比較的わかりやすい。ロープを出したほうがいいと思う。
Dガリー奥壁は2pの三段ハングが核心。
下から見るといかつい
この辺から天気が崩れ始める。
マッチ箱のコルの懸垂。さっきまでの晴れは嘘のよう
3段ハングは、最後が難しいがしっかり残置があった。
個人的にはこの上のフェースが怖かった。
下部にはクラックがあり、登りやすいが、上部はホールドがほぼなく難しい。
この上のチムニーや城塞ハングは適度な難易度で面白い。
スラブと違って、落ちても引っかかるので少しは安心。

山頂では晴れた。
山頂には13:30過ぎについた。
草すべりで急いで帰る。
16:45のバスに間に合った。
初めてだと一日で帰るのは結構忙しいかもね。

晴れの時間が多く大変スッキリしたクライミングができた。
文責:新堀