2016年3月29日火曜日

2016/3/21-23 冬研合宿 空木岳

【山行名】冬研合宿@空木岳
【日程】2016/3/21(月・祝)~3/23(水)
【目的】冬の中央アルプスを堪能する
【山域】中央アルプス
【使用地形図】赤穂、空木岳 (1/25000)
【メンバー】長尾(C.L./2年)、池田先生(顧問・OB)


駒ヶ根高原スキー場より池山尾根より空木岳に行ってきました。ピストンです。標高差約1900m。なんとまあ、近年ワンゲルでは中央アルプスに行っておらず、C.Lも行くのが初めてでした。
冬の池山尾根は稜線は広く、緩やかですが、途中の小地獄と大地獄と呼ばれる場所が危険で場合によってはロープワークを必要とするところです。
ルート上の樹林帯には赤布や標識が沢山有り、迷うことはない。


[1日目]
天気:曇りのち晴れ
駒ヶ根高原スキー場6:45~林道終点7:45-55~タカウチ場8:25-35~池山小屋9:15-30~マセナギ10:16~幕営地10:26



前日に駒ヶ根高原スキー場まで車でアプローチ。林道を更に行って標高を稼げそうだったが、途中でゲートがあり、通行止め。登山道から離れているため、結局駒ヶ根高原スキー場の駐車場からスタート。

登山口は、スキー場駐車場最上段の奥にある。途中で遊歩道や林道と何回か交差するが、空木岳登山道の標識がたくさんあるので、迷うことはない。雪は全くなく、まるで晩秋の登山道。

林道終点に着くと開けていて、南アルプスが一望できる。この日は霞んでいた。
夏はタクシーでここまで標高を稼げる。トイレは開放しており、使用できた。
この付近でも雪はなく、一体標高何メーターから雪が現れるのやら。登山道入口に登山届ポストあり。

林道終点より南アルプスを望む



林道終点からしばらくはハイキング道となり、緩やかな道に。まあ、ショートカットコースもある。
向かい側の山の北斜面を見ると、同じくらいの標高のところに雪があった。
タカウチ場からは池山に登らず、トラバース道へ。
池山頂上下の分岐からようやく雪が現れました。待ってました!!
しかし、池山小屋まではスノーシューハイクが多いと聞くが、今年はスノーシューどころじゃなさそう。

池山小屋からは登山道(トラバース道)経由でマセナギへ一気に登る。
ラッセルするだけの雪もない。でも氷樹は綺麗だった。
幕営地は分岐より少し登った標高1970m付近。
テントを難なく設営できるくらいに雪はあるが、水作りのための綺麗な雪を確保するのが難しかった。笹薮が顔を出していた。
幕営地をここにするくらいだったら、遊歩道沿いの1920m付近にしたほうが、雪が多いので、綺麗な雪の確保が容易そうだった。
池山小屋分岐

氷樹
マセナギ付近の分岐

幕営地より少し登ると南斜面が崩壊した場所があり、眺望が優れていた。中央アルプスがきれいに見えそう。

雲に隠れる中央アルプスの山々
ここも氷樹が綺麗でした。

[2日目]
天気:快晴
幕営地4:45~小地獄手前コル5:40-50~ヨナ沢の頭7:30-45~2415mピーク8:45-55~駒峰ヒュッテ10:35-45~空木岳10:54-11:00-ヨナ沢の頭12:45-55~小地獄手前コル14:20-30~幕営地15:45

朝3時半起床。
朝、テントから顔を出すと雲も見えず、満天の星空。前日入手した天気図によると、天気が期待できそうだった。

雪が少ないため、途中の小ピークは撒ける。
ところどころ木の階段が露出しており、凍ってるところ多数。
滑落の危険を知らせる看板が現れると、痩せ尾根、鉄の階段、鎖場の連続。そして、雪と岩のミックス。第一の関門、大地獄。慌てず、冷静にアイゼンワークをすれば問題ない。

露出する階段。

大地獄付近です

鉄の階段
ひやっとするトラバース道も

痩せ尾根の下り

小地獄手前の鞍部で少し休憩。夏道のトラバースする道にトレースがついていたが、直登する。
ここでロープを出す。
まずは急な尾根を登り終えると緩やかな痩せ尾根。丈夫な木が多くあるので、支点は取りやすい。次は左手のルンゼを詰める。進行方向左に支点を取りやすい。雪質が安定しており、ステップを作りやすかった。ルンゼの終盤に急な雪壁が。雪が少ないため、ステップが作れず、岩がむき出しで、予想以上に難易度が上がっていた。
一番の急登を登り終えると、ヨナ沢の頭へのトラバース道。道がだいぶ崩壊しており、ここも怖かった。
50mロープを計3ピッチ出す。


ルンゼを詰めます。

ヨナ沢の頭からは緩やかな尾根歩き。天気もいい。
だんだん雪が深くなり、アイゼンがハマるように。
2415mピークも幕営適地。このあたりで登襻具をおいていく。
昨日見えた南アルプスが綺麗だ。

標高2500mを超えると森林限界。風は強くなく、快晴という気持ちのいい稜線歩き。平日なので、人も少なく、絶景を独り占め(?)状態。こんな良い条件は珍しい。
感動のあまり「すごい」「きれい」と連発する。自分の語彙力のなさを晒した(^_^;)
写真を撮りまくりながら登る。(先生ごめんなさい)



まずは駒石を目指す。
稜線は広く、アップダウンが多少ある。怪我から復帰したばかりの身体には堪えた。
視界不良時にはルーファイに苦労しそうだ。

雪も増え、雪山らしくなる


気持ちいい稜線歩き。中央に見えるのが駒石。

宝剣とか

広大な雪原

ペースも落ちてきたので、駒嶺ヒュッテで小休止。小屋裏のテラスからは稜線から御獄が顔を出していた。
空木岳直下の登りが一番急だった。頂上に近づくほど風が強くなる。
ようやく空木岳に登頂!!
南アルプスの主峰、北アルプス、御獄山、八ヶ岳、白山と360度の眺望。今シーズン最大の感動でした。

駒峰ヒュッテより。真ん中が御獄、左が白山
頂上まであと少し

駒峰ヒュッテ

登頂です!!

南アルプスの主峰たち

やっぱカメラには勝てない・・・

北岳



御獄

八ヶ岳



南へ伸びる尾根

風が強いため、長居したかったが、早々と下山開始。
絶景をまだまだ拝みたいと思いつつも森林限界下へ。

小地獄でルンゼに入る前まで1ピッチ、そこから懸垂下降を2回した。
大地獄の鎖場で下降が危険そうなので懸垂下降を1回行う。
無事に幕営地に着いてホッとする。幕営地着く頃までには風が強まっていた。

絶景と別れるのが寂しかった・゜・(ノД`)・゜・


[3日目]
天気:曇り
幕営地6:40~タカウチ場7:40~林道終点7:55-8:05~駒ヶ根高原スキー場8:45

下山は遊歩道経由。夏道はジグザグと下るが、視界良好で赤布がはっきりと見えるため、直下降。これが雪山で気持ちいいことの一つ。
雪はトラバース道より多いが、雪が締まっていたため、踏み抜くことはなかった。

雪がなくなると相変わらず晩秋の登山道だった。

雪山要素を楽しむなら、遊歩道コース



今回は天気に非常に恵まれた山行でした。大きく崩れることもなく、アタック日は雲一つない快晴。今回同様、今シーズンは非常に天気に恵まれました。

また、今回食料の見直しを図り、リフィルやお湯を入れるだけでコメが炊けるものを持っていった。その結果、使用する水も少なく済み、ガスも節約でき、ガス缶1つで済んだ。食糧見直しただけでも大きく軽量化を図れるので、今後ワンゲルにも広まればなと思う。


















2016年3月12日土曜日

2016/2/25,26 赤岳

【日程】2016年2月25日(木)~26日(金)
【行程】
1日目: 美濃戸口8:15~美濃戸山荘9:15~赤岳鉱泉11:20
2日目: 赤岳鉱泉6:45~行者小屋7:10~赤岳展望荘8:05-10~赤岳山頂8:35-45~分岐9:20~赤岳鉱泉10:30-11:20~美濃戸口13:20

知り合いのMさんと行ってきました。ここ最近は外部の人と登ることが多いです。
赤岳は小屋が営業しているため、冬でも入山者が多く、今回の行程全てでトレースバッチリだった。また、冬山初心者の目標の山みたいで、調べていたら、憧れを抱いている人がちらほら。
行く前、赤岳がどんなものか楽しみになりました。

アプローチは車で、美濃戸口まで入れた。車高の高い車+スタッドレス+チェーンであれば、美濃戸山荘まで入れる。後部座席を倒すとベットになり、シュラフにくるまり超快適車中泊。

1日目
美濃戸口付近は全く雪がない。しばらく林道歩きになり、ところどころで部分凍結しているうえ、美濃戸山荘付近は短いながらも全面凍結してた。12本爪アイゼンしか持ってなかったので、付けるのに少しためらい。標高1850m付近から全面凍結がほとんどとなり、諦めてアイゼン着用。
北沢ルートで赤岳鉱泉へ。雪道ハイキングみたいな感じ。
赤岳鉱泉までは軽アイゼンで行ける。チェーンスパイクが欲しくなった・・・

美濃戸口

美濃戸山荘

この日は快晴

所々で木道現る

大同心・小同心

小屋に早い時間についたので、暇つぶしにアイスキャンディーやってみるかとMさんと話していたが、週末のコンペのため、登れず・・・。残念。
赤岳鉱泉では去年の夏に知り合った東大スキー山岳部の友人と会う。定着合宿で阿弥陀北陵や大同心とか行ったらしい。天気に恵まれたとか。

アイスキャンディー

大会感

赤岳鉱泉

東大スキー山岳部と

赤岳鉱泉はテント泊1人1000円。トイレ開放、水無料。水づくりの手間が省けるのは大きい。



2日目

5時起床。フライがバリバリに凍っていた。。今までスリーシーズン用のシュラフを使っていたが、リミット温度が-10℃までのシュラフに変えただけ、超快適に寝れた。

12本爪アイゼン装着。ルートは踏み固められていて、まるで高速道路。尾根を一つ乗り越えると行者小屋。
行者小屋からは地蔵尾根を登る。意外と急だった。
所々で、階段や鎖が露わに。はしごは一部撒ける。森林限界も超えると背後に北アルプスが見える。この日も快晴!!
ナイフリッジはあったが、気をつけて歩けば問題ない。
たまに現れるは階段が厄介。
阿弥陀バック

急な登りが続く
稜線にでると地蔵の頭。富士山や北八、南ア、北アと景色は抜群だが、風が強い。
ところどころで雪が吹き飛ばされ、岩と雪のミックスのところも。
赤岳展望荘の建物の影でバラクラバに変える。
雪煙がまったり、耐風姿勢を取ったり、厳冬期らしい。
特にヒヤッとすることもなく赤岳の頂上へ。



北八

楽しい稜線歩き♪

阿弥陀岳

富士山と赤岳

赤岳頂上で写真を撮りまくる。南ア、中ア、北アと360度の展望。風が強くなければ長居したかった。しかしまあ、今シーズンは天気に恵まれている。
赤岳山頂からバリエーションルートに行きかけるも、頂上に戻り、一般ルートに戻る。キレット小屋方面の尾根に行くのが正解だ。山頂から文三郎尾根の分岐までの下りは、雪山を歩き慣れてない人はヒヤッとするであろう。岩と雪のミックスの下りである。
足場を作りながら慎重に下るところもあった。そこの下り終えたところに滑落痕らしきものがあった。下級生を連れて行く時は、お助けロープがあった方が得策か。



途中で強風によりずれかけていたサングラスが飛ばされた。強風対策をしっかりしなければならないと強く感じた。

山頂の祠

南ア

北アは雲がかかってる。

北八

滑落痕?

分岐のエビのシッポ




文三郎尾根の下りはさほど危険ではない。
行者小屋、赤岳鉱泉を経由し、美濃戸口へ下山。
流石に美濃戸山荘付近まではアイゼンをつけた。

文三郎尾根のハイライト
阿弥陀岳

バリエーションの人たち

テントを撤収したら、スケートリンクが!!